撮影日記


2019年06月06日(木) 天気:晴れ

令和元年だから「1」がつくカメラをお迎えした

先月,令和元年になったことを記念して,「1」のつくカメラを入手しようと考えた。そして,Nikon D1を購入した。このとき,はじめはFUJI FinePix S1 Proを購入しようと考えていたはずであるが,購入したものはNikon D1だったのである(2019年5月14日の日記を参照)。
 だから決して,FUJI FinePix S1 Proがほしくなくなった,というわけではない。
 たまたま安価に出品されていたものがあったので入札しておいたところ,競合者があらわれず,開始値で落札できてしまった。

新発売になることを知ったときに購入を検討したが,仕事の忙しい時期に重なったために買いそびれていた,FUJI FinePix S1 Proが,ようやく私の手元にやってきたのである。
 本体には,64MBのスマートメディアがセットされていた。
 入手したものは「動作は電池がない為、未確認になります。」という,ジャンク扱いのものである。まずは,動作を確認しなければならない。電池(CR123A型リチウム電池が2個,単3型乾電池が4個必要)を装填して電源スイッチをONにしたところ,上面の液晶ディスプレイには「Err」というエラーメッセージが表示された。
 不動品をつかまされたか?と思ったが,セットされていた64MBのスマートメディアを抜いて,別のCFカードをセットしたら,無事に動作するようになった。スマートメディアの不良かどうかを確認するため,そのスマートメディアを別に用意していたFUJI FinePix S2 Proにセットしてみたところ,そこでは問題なく認識する。あらためてスマートメディアをFUJI FinePix S1 Proにもどすと,こんどは問題なく動作した。結局,なにが問題だったのだろう?

FUJI FinePix S1 Proの撮像素子は,ライカ判よりも小さな,いわゆるAPS-Cサイズのものである。したがって,35-70mmという一般的な標準ズームレンズを装着すると,ライカ判のカメラにおよそ50-100mmの望遠ズームレンズを装着したときと同等の範囲が写ることになる。だから,当時すでに入手して愛用していた,AF Zoom-NIKKOR 24-50mm F3.3-4.5Sと組み合わせて使うつもりだった。ようやくこの組みあわせが,実現したのである。

FUJI FinePix S1 Pro, AF Zoom-NIKKOR 24-50mm F3.3-4.5S

FUJI FinePix S1 Proのカメラ部分は,エントリーモデルの一眼レフカメラNikon F60を流用したもののようである。カメラ部分については,よくも悪くもNikon F60そのもの。歯切れはよいが,のんびりした印象の動き。パシャーンと自己主張をせず,コポンとどこか控えめな,静かな動作音である。発売当時,コンパクトで短焦点域をカバーするDXレンズはラインアップされていなかったが,この24-50mmのズームレンズがあるから,それなりに実用できるだろうと思っていたものだ。
 FUJI FinePix S1 Proの感度設定は,下限がISO 320となっている。この点は,個人的にはうれしくない。下はISO 100あるいはISO 80に設定したい。これは慣れの問題にすぎないが,Nikon D70に当初感じていた大きな不満は,感度設定の下限がISO 200だったことを思い出した。
 実際に撮影した画像を見ると,FUJI FinePix S2 Proと同じような色の印象で,やや派手でこってりしているが,全体として好印象である。600万画素の画像として記録できるカメラであるが,撮像素子の画素数が300万画素で,これを補完して600万画素の画像としている。そのためか,リサイズ前の画像をいわゆるピクセル等倍で見ると解像感が足りなく感じるが,ふつうのサイズのプリントに出力するのであれば,とくに問題はなさそうだ。

ほんとうは,19年前にこの画像を得られるようになりたかったものである。ただ,当時はパソコンの能力がいまほどではなかったし,メモリカードも高価だったのでじゅうぶんな量を買えなかったかもしれない。また,CR123A型の充電式電池(2015年6月25日の日記を参照)がなかったなら,バッテリーにも苦労することになったかもしれない。
 ともかくいえることは,FUJI FinePix S1 Proは,いまでもじゅうぶんに実用的である,ということ。
 最終的な出力がさほど大きくないのならば,600万画素もあれば問題ない。そして,この派手気味ながら穏やかな色は,このシリーズ特有の好印象がもてるものだ。
 発売当時に購入していれば135フィルムの使用を早々にやめて,「中判・大判フィルム」と「デジタル」という組み合わせでいろいろなものを撮ることになっていただろうと,いまさらながら思うのであった。


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