撮影日記


2019年05月25日(土) 天気:晴

京セラAFシステムでツァイスレンズが使える しかし,そこで見えるものは…

かつて京セラは,2種類のシステム一眼レフカメラを発売していた。
 1つは,CONTAX銘の一眼レフカメラである。このシステムでは,Carl Zeiss銘をもつ多数の交換レンズが用意されたことが,大きな魅力になっていた。交換レンズなどを共通で使える,YASHICA銘の一眼レフカメラも発売されていた。これは,CONTAXのシステムの廉価版という位置づけの商品に思えた。
 もう1つは,KYOCERA銘のオートフォーカス一眼レフカメラである。CONTAXのシステムとの間に,交換レンズの互換性はない。なお,このシステムは,海外市場ではYASHICA銘で発売されていた例もあるので,YASHICA銘のカメラについては少し,ややこしい。

京セラのオートフォーカス一眼レフカメラで使う交換レンズの銘は,Carl ZeissでもYASHICAでもなく,KYOCERAであった。Carl Zeissには「ドイツ製の高級品」,YASHICAには「高級というほどでもないが伝統的な製品」という,それぞれのブランドには好感をもてるイメージがある。それに対して,KYOCERAというブランドに対するイメージは,「ない」と言ってよいだろう。いろいろと事情があったものとは思うが,京セラのオートフォーカス一眼レフカメラにCarl Zeissの銘をもつ交換レンズ群が用意されなかったことは,不思議でしかたのないことである。

だから,「AFコンバータ 1.6x」がほしくなる,これを使うと,京セラのオートフォーカス一眼レフカメラで,Carl Zeiss銘の交換レンズを使えるようになる。

ただし,「AFコンバータ 1.6x」は,あくまでもテレコンバータである。これを併用することで,レンズの焦点距離は1.6倍になり,1段と少々,暗くなる。テレコンバータ内のレンズの動きは大きくないこともあり,ピントのあう範囲もあまり広くない。
 同じように,マニュアルフォーカス用レンズでオートフォーカス撮影をするための製品は,ニコンやペンタックスからも発売されていた。ニコンやペンタックスでは,マニュアルフォーカス用レンズとオートフォーカス用レンズは共通のマウントをもっているので,互換性があった。マニュアルフォーカスの50mmレンズを用意した場合,ニコンやペンタックスのシステムでは,マニュアルフォーカスの50mmレンズおよびオートフォーカスの80oレンズとして使えることになる。しかし京セラのシステムでは,オートフォーカスの80mmレンズとしてしか使えない。このあたり,ニコンやペンタックスで慣れていると,違和感があるだろう。

Tessar T* 45mm F2.8との組みあわせでは,72mmのオートフォーカスレンズとして使うことになる。1.6倍というのは,いわゆるAPS-Cサイズの撮像素子をもつデジタル一眼レフカメラで使うレンズの焦点距離を,ライカ判に「換算」するときのものと同じだ。ただし,デジタルカメラの場合は「ライカ判の72mmレンズに相当する範囲が写る」というだけのことであるのに対し,テレコンバータとして使う場合は実際に焦点距離が72mmになっているのである。また,その分,レンズが暗くなっている。おおむね72mm F4.5くらいのレンズに変わることになる。暗くなるという点も,デジタルカメラの話とは,事情が異なる。

KYOCERA 230 AF, Tessar T* 45mm F2.8, AF Converter x1.6, Konica 100

ともあれ,いわゆる中望遠くらいのレンズで,たいして明るくなく,たいして寄れないというものは,個人的には扱いにくいものなのである。


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