撮影日記


2019年05月19日(日) 天気:晴

シグマレンズにしかけられたデジタルEOSの罠

今年になってからあらたに入手したレンズは,2019年3月6日に購入したAF-S DX VR Zoom-Nikkor 18-200mm F3.5-5.6G IF-EDだけである。令和の時代になってからは,まだ1本もレンズを入手していない。
 だから今日,ブックオフのジャンクコーナーでみかけたおもしろそうなレンズは,迷わず救出することにした。

シグマの接写用レンズ,SIGMA AF 50mm F2.8 MACROの初期型である。

焦点距離は50mm,いわゆる標準マクロレンズである。最短撮影距離は0.19mだから,レンズと被写体の距離は5cm程度になる。不用意に被写体に接近しても,近すぎてピントがあわない,というストレスからは,ほぼ完全に開放される。最短撮影距離での撮影倍率は等倍(フィルム上に実物と同じ大きさの像を結ぶ)で,無限遠まで連続的にピントをあわせることができる。

個人的に残念なのは,このレンズはキヤノンEOS用(EFマウント)のものだったことだ。
 いつものKodakやFUJI,あるいはNikonのデジタルカメラでは使えない。そこで久しぶりに,Canon EOS 10Dの出番となる。

Canon EOS 10D, SIGMA AF 50mm F2.8 Macro

Canon EOS 10Dは,比較的初期のデジタル一眼レフカメラである。だから,撮像素子の画素数が少ないことや画像処理の結果などには,少々不満が出るだろう。しかしながら,オートフォーカス一眼レフカメラとしてのしくみは,完成の域に達している。等倍近い倍率の撮影でも,オートフォーカスでピントがすーっとあう。

Canon EOS 10D, SIGMA AF 50mm F2.8 Macro

像を見た印象としては,描く線が細いものに感じられる。やさしい印象になるので,悪くないと思う。ボケ具合も,なめらかだ。ただ,あくまでも標準ズームレンズなので,背景に余計なものが写りこまないよう,構図の処理には気を使うことになる。

無事に使えることが確認できた,と安心したところで,とんでもない情報をいただいた。
 このレンズで撮影すると,エラーが出る,というものである。
 具体的には,絞り込むとエラーになるというのだ。
 私がそのエラーに気づかなかったのは,もっぱら開放で撮っていたからにほかならない。

このエラーは,レンズの不良というわけではない。
 古いシグマのレンズには,フィルムのキヤノンEOSでは問題なく使えるが,デジタルのキヤノンEOSでは,エラーが出るという。キヤノンが,レンズの信号の仕様を変えたことに起因するようで,仕様だからしようがないのである。
 それに対してシグマは,レンズに内蔵する部品を交換するなどの対応をはかっていたこともあったが,現在では必要な部品の供給がなくなったこともあり,そのような対応はおこなっていない。
 SIGMA AF 50mm F2.8は,おもしろそうなレンズである。絞りこんでは使えないというのは残念だが,開放での接写専用レンズとして使えばいいだろう。

Canon EOS-1Nあたりを利用した,Kodakのデジタル一眼レフカメラにも興味がわいてきたことは,ここだけの秘密だ。


← 前のページ もくじ 次のページ →