撮影日記


2019年04月25日(木) 天気:晴のち曇のち雨

沈下橋は復活するのか?

河川などの増水時には,水面下に沈んでしまうような橋を「沈下橋」という。水面下に沈んでしまったときは,当然ながら,その橋を渡ることはできない。しかしながら,構造が簡単なため,架橋にかかる費用が少なくて済むというメリットがある。そのほかのメリットとして,壊れやすいが,壊れてもすぐに直せるというものがある。さらに,増水時に橋に流木等がひかっかることでさらに大きな被害につながらないよう,むしろ壊れやすくつくられているものもあるとのことだ。
 沈下橋は,交通量の少ない過疎地等に設けられていることが多い。ところが福山市から府中市にかけての芦田川では,市街地からそう遠くない場所に沈下橋が集中しているところがある。大きな橋と橋との間は距離が長く,そのすきまをうめるように,ちょうどよいところに位置しており,自動車も渡れるので,日常的に生活道としても利用されている(2010年5月29日の日記を参照)。

昨年6月末から7月上旬にかけて広い範囲に続いた豪雨は,気象庁によって「平成30年7月豪雨」と名づけられている。豪雨にともなって新幹線をはじめとして鉄道など交通機関の運休が続いた(2018年7月6日の日記を参照)。そして,各地に大きな被害が発生した。いまだ,広島県内の鉄道には,復旧していない区間がある。
 このとき,芦田川周辺でも氾濫等の被害が発生している。そして,多数あった沈下橋は,1つを除いて壊れてしまった。被災した橋の名称と位置は,「2018年度 近田橋外 福山氏御幸町外2か町地内 架橋架け替え調査検討業務委託実施設計書」(PDFファイル(*1))の2ページ目と21ページ目で参照できる。
 水害時に沈下橋が壊れるのは,想定の範囲内と言えるだろう。福山市は復旧の計画を検討しているが,「災害時に流れを妨げる構造物」として,国からは廃止の検討を求められている。

今日,この方面に出かける用事が発生した。
 朝から夕方までかかる一日仕事であるが,私の役割としては立ち会うだけなので,どうしても待ち時間が発生する。お昼の休憩時間も利用して,被災した沈下橋のようすを見に行くことにした。

たしかに途中の何箇所か,橋版が落ちている。福山市内だけで6本中5本の沈下橋が壊れているというのだから,やはり深刻な事態である。
 もちろん,見るだけではない。
 四つ切1/2判で,撮影する。床版が落ちているのがわかりやすいよう,正面に回って,土手を少しのぼったところから狙う。

Okuhara camera, FUJINON 180mm F5.6, FUJIBRO WP FM2

なんということか,この現像ムラは。
 歓迎せぬことではあるが,これは絵に「おどろおどろしさ」を加味してくれたとして,よしとしよう。

*1 2018年度 近田橋外 福山氏御幸町外2か町地内 架橋架け替え調査検討業務委託実施設計書 (福山市)
http://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/uploaded/attachment/128498.pdf


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