2019年03月16日(土) 天気:晴
ニコンのカメラはどう読むの?
2018年秋に,ニコンはあたらしく「ニコンZ」シリーズのカメラを発売した。Zシリーズは,一眼レフ式ではないレンズ交換式のデジタルカメラ,いわゆる「ミラーレス」カメラである。2011年からニコンは,1インチサイズの撮像素子をもつミラーレスカメラ「ニコン1」シリーズを発売していたが,新製品の発売は2015年までで終了している。これにかわるように発売されたミラーレスカメラ「ニコンZ」シリーズは,撮像素子がライカ判サイズのものになっている。発売されたNikon Z7,Nikon Z6のうち,上位モデルとなるNikon Z7の販売価格はボディのみで30万円から40万円くらいする,高級機となっている。また,特徴ある高価なレンズもいろいろとラインアップされてきた。
レンズ交換式のカメラで,ボディとレンズとを接合する部分を,レンズマウントという。この形状が共通であれば,自由にレンズをつけかえて撮影に利用できる。ニコンの一眼レフカメラでは,1959年に発売されたNikon F以来,現在のNikon D5までニコンFマウントが使われてきた。ボディにレンズを取りつける部分の形状が変更されなかったので,古いレンズをあたらしいカメラでに装着して利用することや,あたらしいレンズを古いカメラに装着して利用することもできていた。ただし,連動機構などはいろいろと変化してきたので,実際には装着できない組みあわせや,装着できても実用にならない組みあわせも存在する。
ミラーレスカメラは,一眼レフカメラにくらべて,レンズのフランジバック(レンズマウント面と撮像素子面との距離)を短くできる。ニコンZシリーズでは,レンズマウントがまったくあたらしいものに変更された。ニコンFマウントのレンズを利用するマウントアダプタもあわせて発売されたので,ニコンZシリーズのカメラでニコンFマウントのレンズを利用することは不可能ではない。ただし,ニコンFマウントのカメラでニコンZシリーズのレンズを利用することはできない。
プロの使用にも耐えるような高級機とさまざまなレンズがラインアップされた状況をみると,いずれニコンはDシリーズ(およびFシリーズ)の一眼レフカメラをすべて終了して,ミラーレスカメラのZシリーズに一本化するのではないだろうか?ということも考えられるようになる。Zシリーズが「Z1」からではなく「Z6」「Z7」からはじまったことが,現行のデジタル一眼レフカメラNikon D5の続きであることを意図しているのではないか?という見方もできなくはない。
私の周囲でNikon D5が話題に出ることはあまりないが,「にこんでぃーご」ではなく,「にこんでぃーふぁいぶ」と読む人が多いように感じていた。Nikon F5のときは「にこんえふご」と読む人が大半だったように感じていたので,少々状況が異なっている。
Nikon F5が「にこんえふふぁいぶ」ではなく「にこんえふご」と読まれることの理由として,以前,このように考えたことがある(2014年9月29日の日記を参照)。
Nikon F4は「ふ」が続くので「えふふぉー」と読みにくい。
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「えふよん」という読み方が。あらわれる。
また,F三桁シリーズの名称は,もっぱら日本語読みされた。
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日本語読みが定着する。
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Nikon F5も「ふ」が続くので「えふふぁいぶ」と読みにくい。
↓
日本語読み「えふご」が定着する。
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これに対して,Nikon D4やNikon D5は「ふ」が続かないので,英語読みでも問題がなく,「でぃーよん」や「でぃーご」のように日本語読みをする必要がなかったことが考えらえる。それでも日本語読みする人がそれなりに存在するのは,「えふよん」や「えふご」という読み方に慣れている人があるからだろう。
実際にどのように読まれることが多いのか,twitterのアンケート機能を使って調べてみた。今回の調査では,つぎのような結果になった。
ニコンF一桁機の名称における数値の読み方
機種 | 英語読み | 日本語読み | 両方 | 総票数 |
Nikon F2 | 70% | 20% | 10% | 20票 |
Nikon F3 | 50% | 36% | 14% | 31票 |
Nikon F4 | 29% | 53% | 18% | 17票 |
Nikon F5 | 0% | 83% | 17% | 6票 |
Nikon F6 | 6% | 88% | 6% | 17票 |
Nikon F3は英語読みと日本語読みが半々,Nikon F2は英語読みが優勢,Nikon F4も半々だがNikon F3よりは日本語読みがやや優勢である。そしてNiko F5,Nikon F6は,日本語読みが大勢という結果が得られた。日本語読みと英語読みの使い分けは,ほぼ想定通りであった。
つづいて,ニコンDシリーズの読み方についても,同様に調べたところ,つぎのような結果になった。
ニコンD一桁機の名称における数値の読み方
機種 | 英語読み | 日本語読み | 両方 | 総票数 |
Nikon D1 | 100% | 0% | 0% | 12票 |
Nikon D2 | 90% | 0% | 10% | 10票 |
Nikon D3 | 89% | 0% | 11% | 9票 |
Nikon D4 | 79% | 14% | 7% | 14票 |
Nikon D5 | 33% | 50% | 17% | 6票 |
Nikon D1,D2,D3では,大半が英語読み,Nikon D4でも大半が英語読みだが,日本語読みの人もあらわれてくる。Nikon D5はやや日本語読みが優勢だがほぼ半々という結果となった。Nikon D5を「でぃーご」と日本語読みする人は,私がもっていた印象よりも多いようだが,明らかにニコンF一桁機の読み方とは異なる傾向がでている。とくにNikon F4とNikon D4の傾向の違いは,「ふ」が連続することが読みにくいということをあらわしているように思えてくる。そして,「ふぁいぶ」は長いので,「ご」と読みたくなる人があるのだろう。
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