撮影日記


2019年01月28日(月) 天気:晴

Kodak DCS 460で非Aiレンズを使おう

先週は,Kodak DCS 460で撮影した画像データ(独自の.tiff形式)を,RawThrapeeというソフトウェアでJPEGファイルに変換するときの基準になる設定を見つけることを目的とし,ほぼ毎日,いろいろなものを撮った。このときレンズは,もっぱらAi NIKKOR 50mm F1.8Sを使用した。Kodak DCS 460のカメラ部分はNikon F90 (私の手元にあるものは,Nikon F90Xの輸出用ボディであるNikon N90s) なので,Ai方式のニッコールレンズであれば,カメラに内蔵されたTTL露出計を利用してマニュアル露出や絞り優先AE撮影などができる。オートフォーカス用レンズであればオートフォーカス撮影はもちろん,プログラムAE撮影やシャッター速度優先AE撮影が可能になる。
 ただし,このボディには,オートニッコールなど非Aiタイプのレンズを装着することはできない。Ai方式のための連動ピンが,非Aiタイプのレンズ鏡胴にあたってしまうためである。Ai方式として初期のNikon FMやNikon FE,フラッグシップモデルのNikon F3やNikon F4は,そのAi連動ピンを倒せるようになっているので,非Aiタイプのレンズを装着して撮影することができる。要は,Ai連動ピンが,なければよいのである。非Aiタイプのレンズをディジタルカメラで使いたい,そのように考えて,ニコイチ再生したNikon F90XのAi連動ピンを撤去するなどの改造をほどこした,Nikon F90Xボディをつくった(2017年10月22日の日記を参照)。改造といっても,Ai連動ピンを撤去すること,ファインダースクリーン上に写る範囲の枠を示すことと,撮像素子に接触する位置にあるフィルム室内の突起を1つ撤去すること(2017年11月20日の日記を参照)だけである。
 ボディが用意できれば,交換するだけである。

Kodak DCS 460は,いわばNikon F90シリーズ用のデジタルバックのようなものだ。ただ,コダックとニコンの協業による製品ではないらしい。また,Nikon F90ボディには,わずかではあるが改造を施す必要がある。だからあくまでも,Nikon F90を改造してつくられたデジタル一眼レフカメラであり,自由に交換して使用するデジタルバックという位置づけではないのだろう。

ともあれ,底面の大きなネジにより,デジタル部分とカメラ部分とは固定されている。そのネジをはずし,デジタル部分からカメラ前面の端子に接続されているケーブルと,導線が接続されている電池ボックスをはずすことで,デジタル部分とカメラ部分とを完全に分離できる。

こんどは,改造したNikon F90Xボディの裏蓋と電池ボックスをはずし,デジタル部分から出ている電池ボックスにつけかえる。デジタル部分を裏蓋のように位置をあわせたら,底面のネジでカメラ部分としっかり固定する。最後に,カメラ前面の端子にケーブルを接続する。

これで,非Aiレンズで撮影できる,デジタル一眼レフの完成となる。
 ただし,この状態のカメラには,レンズの絞りの状態を伝達することができない。Nikon F90Xは実絞り測光ができないようなので,露出補正を利用したイレギュラーな使い方をしなければならない。

絞りを開放で撮影するときは,とくに問題はない。そのまま,絞り優先AEで撮影できる。何段か絞りこんで撮影するときは,絞り込んだ段数分だけ,プラス側に露出補正をする。具体的には,F2.8のレンズをF8に絞り込んで撮影するときは,3段分絞っているのだから,カメラの露出補正を+3.0EVにするのである。

これで,絞り優先AE撮影をすれば,ほぼ適正な露出が得られることになる。JPEGファイルを出力するときの基準にする設定で,ほぼすなおな色が得られている。

Kodak DCS 460, NIKKOR-N Auto 24mm F2.8

F8に絞りこんでも露出補正をせずに撮影すれば,当然ながら3段分アンダーの露出になる。

Kodak DCS 460, NIKKOR-N Auto 24mm F2.8

かなりのアンダー露出であるが,それなりに見られる画像になっているのは,少々驚きである。

とくに問題なく使えるこがをあらためて確認できたので,今週からは非Ai方式のオートニッコールレンズをいろいろと試してみることにしよう。


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