撮影日記


2018年12月16日(日) 天気:雨

エクステンションチューブとテレコンバータの効果

先週,SONY α100を入手した。試し撮りをしようと思っていたが,なにかと忙しく時間が取れない。季節がら,日の出が遅く日の入りが早い。そのうえ,すっきり晴れた日が少なく,屋外で撮る機会を確保できないでいた。屋外で撮れないならば,夜中に室内で撮るしかない。まだ花の残っているものがあるので,キチジョウソウを被写体とする。

SONY α100には,オートフォーカスの「アイスタートシステム」が設けられている。ファインダーを覗くとオートフォーカスが動作しはじめるので,シャッターレリーズボタンを押そうとするときにはすでに,被写体にピントがあっているというぐあいだ。慣れればかなり便利な機能だと思うが,慣れないうちは少々とまどう。まずは,装着しているレンズがMINOLTA AF 50mm F3.5 Macroであるということが問題なのだが,いきなり動きはじめるオートフォーカスの動作音がけたたましい。アイスタートシステムのないカメラであれば,ファインダーを覗いて被写体を意識してからシャッターレリーズボタンを押し,ピントリングが動作することになるので,ピントがあっていない状態からピントがあった状態になる過程を確認できる。そして,ピントがあっているという安心感を得られる。ところがアイスタートシステムがあると,いきなりどこかにピントがあっていて「さあどうぞ,レリーズしてください」となる。ファインダー内のインジケータも合焦を示しているが,そのままでは安心してレリーズできない。決して,アイスタートシステムを非難しているわけではない。あくまでも,慣れの問題だ。私はまだ慣れていないので,設定をさがしてアイスタートシステムをオフにした。

まず,MINOLTA AF 50mm F3.5 Macroの最短撮影距離に近いところで,キチジョウソウを撮る。

SONY α100, MINOLTA AF 50mm F3.5 Macro

1つめは開放で,2つめはF8に絞ったものだ。

SONY α100, MINOLTA AF 50mm F3.5 Macro

フラッシュを使わずに,室内の明かりだけで撮っている。ISO 400ではそれなりに長時間の露光になるが,ノイズのようなものは気にならない。長時間露光時には,ノイズリダクション機能がはたらくようになっていることの効果が出ているようだ。
 開放でも,ピントのあったところの線がシャープに写っている。F8まで絞りこめば問題なし。後ろのボケは,開放でも絞りこんでも煩雑になりにくいようだ。これは,開放でのボケの美しさを期待するよりも,少し絞ってシャープさを高めることを期待するのが似合っているレンズに思える。
 まあ,こういう傾向は,明るさは欲張っていない標準マクロレンズとして当然のことだろう。

MINOLTA AF 50mm F3.5 Macroが対応している撮影倍率は,1/2倍までである。等倍に近い撮影をするには,テレコンバータや接写リングが必要だ。そこでつぎは,ケンコーの1.5倍テレプラスを併用して,キチジョウソウを撮る。

SONY α100, MINOLTA AF 50mm F3.5 Macro, KENKO Teleplus SHQ x1.5

同様に,1つめは開放で,2つめはF8に絞ったものだ。

SONY α100, MINOLTA AF 50mm F3.5 Macro, KENKO Teleplus SHQ x1.5

SONY α100にはノイズリダクション機能があるが,この処理には露光の長さに応じた時間が必要であり,処理がおこなわれている間は,次のコマのレリーズはもとより,ほかの操作がなにもできない。テレコンバータを併用することでさらに露光が長くなり,ノイズリダクションも長くなるのは嫌なので,内蔵のフラッシュを使うことにした。距離が近すぎるせいか,やや露光オーバーになってしまっているので,トーンカーブを少しいじっている。
 テレコンバータを併用しても,ボケぐあいやシャープさに,よくない影響は出ていないようだ。

さいごに,36mmのエクステンションチューブを併用して,キチジョウソウを撮る。

SONY α100, MINOLTA AF 50mm F3.5 Macro, KENKO ExtensionTube 36mm

これも同様に,1つめは開放で,2つめはF8に絞ったものだ。

SONY α100, MINOLTA AF 50mm F3.5 Macro, KENKO ExtensionTube 36mm

これも,内蔵のフラッシュを使用している。テレコンバータを使ったときにくらべて,適正な露光が得られているように見える。
 F8に絞ったほうでも,ボケが丸く写っており,多角形になっていない。これがMINOLTA AF 50mm F3.5 Macroの特性ならば,安心して絞ることができるレンズだと評価できることになる。そして,レンズ単体や,テレコンバータを使ったときとは違い,開放時のボケ具合がとてもよいものに見える。
 このエクステンションチューブは,オートフォーカスの連動に対応している。そして,オートフォーカスでの撮影結果が,さほど悪いものではないことも,ここでは注目しておきたい。

それだけに,オートフォーカス時のピントリングの動作音の大きさが,あまりに残念に感じてしまう。


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