撮影日記


2018年11月18日(日) 天気:夜に小雨

キャップがついていたからHD-1 FUJICAを救出した

大阪で仕事があると,ついつい梅田の八百富写真機店に立ち寄ってしまう。すると不思議なことに,救出して連れ帰りたいものを1つくらいは見つけてしまうのである。

ジャンクコーナーで私を呼んでいたカメラは,HD-1 FUJICAであった。
 このカメラは1979年6月に発売された(*1),はじめての防水コンパクトカメラとされている。残念ながらシャッターレリーズボタンを覆うゴムが劣化して失われているため,もはや防水性能はない。それでもレンズまわりのゴム部品や,厳重な裏蓋開閉機構などからは,このカメラが防水を高く意識していることはじゅうぶんに見えてくる。防水カメラと言っても,いわゆる全天候型カメラであり,水中撮影には対応していない。それでも当時,プールくらいであれば潜って撮っても問題なかったという話を耳にしたことはある。
 防水性能が失われているものの,電池が腐蝕した跡も見られず,水没した雰囲気も感じられない。さらに,レンズキャップが付属していたこともあって,救出を決断した。電池を入れてみると,いちおうシャッターは動作する。
 HD-1 FUJICAを救出して思い出したことは,ずっと以前に古書店で購入した雑誌「POPEYE」にこのカメラの広告が載っていたことだ。あらためて確認すると,この「POPEYE」は1979年7月25日号,すなわちHD-1 FUJICAが発売されてまもなくのこと。たしかにその広告には「洗えるカメラ,新発売」とのコピーも添えられている(2007年7月11日の日記を参照)。
 救出したカメラは,何回くらい,海へ行ったのだろうか?それとも,雪山へ?あるいは,工事現場などで活躍していたのだろうか?そういうことを想像してみるのも,また,楽しいものである。

*1 コンパクトカメラの伸長と35mm一眼レフヘの進出 (富士フイルム株式会社)
https://www.fujifilm.co.jp/corporate/aboutus/history/ayumi/dai4-06.html


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