撮影日記


2018年11月05日(月) 天気:晴

キチジョウソウが咲きはじめる

キチジョウソウは,おもに関東から西日本にかけて,山地などやや日陰で湿り気の多いところに自生する多年草である。このことを言いかえると,日当たりがよすぎるところでは栽培に適さないことになる。
 しかしながらもともと丈夫な草なのであろう,夏はとても暑い,広島市内の低地でもよく育つ。もちろん,できるだけ強い日差しがあたらないように考えて鉢を配置しているが,幸か不幸か自宅は日当たり良好。どうしても,夏の強い日差しから,完全に逃げることはできそうにない。それでも,旺盛に生育する。きれいに植え替えても,2年もたてば茎を伸ばし株を増やして,鉢からあふれるほどになる。
 そして今年も,例年通りに花を咲かせてくれた。

Canon EOS 10D, Mamiya-sekor E Macro 50mm F3.5, FOTODIOX Pro ZE-EOS

キチジョウソウを撮るときには,なんとなくこのレンズが似合うように感じている。
 やたらと硬質で明瞭な写りをするマミヤZE用の接写用レンズ,Mamiya-sekor E Macro 50mm F3.5と,FOTODIOX Pro ZE-EOSという,テレコンバータが組みこまれたマウントアダプタを組みあわせたものだ。これは,マミヤZE用レンズをディジタル一眼レフカメラで使える,数少ない組みあわせである。

Canon EOS 10D, Mamiya-sekor E Macro 50mm F3.5, FOTODIOX Pro ZE-EOS

この組あわせでは,かすかにフレアが生じる。もっと明るいレンズ,たとえばF2くらいのレンズを開放で使うと,すさまじいフレアが出現する。しかしこのレンズの場合はF3.5なので,フレアの量もほどほどになる。硬質な写りと,ほどほどのフレア,この組みあわせが楽しめるレンズなのである。
 ただひとつ残念なことは,このレンズがニコンFマウント用ではなく,キヤノンEOS用であることだ。

Kodak DCS Pro 14n, AF Micro-NIKKOR 105mm F2.8S

 Kodak DCS Pro 14nとAF Micro-NIKKOR 105mm F2.8Sは,現在の私にとってもっとも安定の組みあわせである。Kodak DCS Pro 14nが出力する,ほどほどに派手だが色を塗り重ねたようなものではない,すきとおった感じのする画像は,好ましく思えるものである。そして,等倍まで接近のできるレンズで花を撮るときは,ピントをあわせた蕊の背景になにを置くか考えるのも楽しいものである。

Kodak DCS Pro 14n, AF Micro-NIKKOR 105mm F2.8S

そして,逆光気味の光線で,花や葉が透過光になるように鉢を置く。だが,この時期の太陽は低く,すぐに近くの建物の影が伸びてくるものである。勝負はほんの数時間,だがそのために,だらだらと長時間撮り続けることにならないのだから,これもよいことだと前向きにとらえよう。


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