撮影日記


2018年06月19日(火) 天気:雨

雨の日のアジサイをKIRONで撮る

梅雨どきに咲く花といえば,アジサイを連想する人が多いだろう。つまり,アジサイの咲く時期には,雨の日が少なくない。つまりそれだけ,撮影の機会が少ないということになる。もちろん,雨の日にアジサイを撮ってはいけない,などという決まりはない。単に雨が降っていると,外に出るのがおっくうに感じられるだけだ。むしろ,雨の日のほうが,しっとりした雰囲気で撮ることができるかもしれない。

PENTAX K100D, KIRON 28-210mm F3.8-5.6

先月,八百富写真機店で救出した,M42マウントのKIRONのズームレンズを使うことにした(2018年5月11日の日記を参照)。PENTAX純正のマウントアダプタを装着すれば,PENTAX K100Dで撮ることができる(2018年5月19日の日記を参照)。傘をさしての撮影になるので,手ブレ補正が少しでも効いてくれると,ありがたい。

PENTAX K100D, KIRON 28-210mm F3.8-5.6

このレンズは,初期の高倍率ズームレンズである。もちろん,PENTAXの純正レンズとして発売されたものではなく,TAMRONやSIGMA,TOKINAといった,交換レンズの有名なブランドで発売されたものでもない。無理な高倍率の有名ではないレンズであれば,とても残念な描写が得られることが期待できる。そう,きっちりかっちりした描写もいいが,予想外の個性的な描写をしてくれれば,それはそれでおもしろい。
 しかし,残念なことに,まっとうな描写を示している。かりかりにシャープではないし,ふわふわで幻想的なボケでもない。スムースにボケて,その分,ピントがあったところはきちんと写っている。

PENTAX K100D, KIRON 28-210mm F3.8-5.6

PENTAX K100Dは,いわゆるAPS-Cサイズの撮像素子をもつディジタル一眼レフカメラである。したがって,高級なレンズでも画像が乱れがちな,周辺部が見えていない。そのことがあるのかもしれないが,写っている範囲では,しごくまっとうな写りである。目を見はるようなシャープな画像というわけでもないので,ただただ平凡に,写っている。

PENTAX K100D, KIRON 28-210mm F3.8-5.6

レンズを広角側にすると,あまり寄ることができなくなるのは,物足りない。それでも周囲まで無難に写っている。つまり,高倍率ズームレンズとして,画質の面では一定の完成度に達成していると評価することができそうだ。ただ,大きく重く寄れない直進ズームであり,それなりの価格がついていたものと思われる。これとまったく同じではないが,KIRON 28-210mm F4-5.6というものの広告が日本カメラショー「カメラ総合カタログ」vol.88 (1987年版)に掲載されており(2018年5月15日の日記を参照),その価格は92,000円というものだった。これらの要因から,広く人気の商品になりにくかったのかもしれない。
 発売当時は,まっとうな写りの高倍率ズームレンズとして評価されただろうが,高倍率ズームレンズが一般的になった現在では,まっとうに写るためにかえって特徴のないレンズになってしまった,ということになる。


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