撮影日記


2018年05月02日(水) 天気:雨

なくなるのは,カラーが先?

いわゆる大型連休の谷間となるが,職場が有給休暇の消化を奨励するので,今年は9連休を実現できた。どこかのんびり撮り歩こうと思ったが,あいにくの雨である。雨ではあるが,近所ではツツジがきれいに咲いている。雨の日はまた,しっとりした色合いが得られるかもしれない。Mamiya Universal Pressにフィルムが2コマ残っていたので,それを使い切ることにした。
 これで,撮りきったフィルムがたまったので,現像を依頼することにした。いつもはラボの人に,職場に集配に来ていただいているが,たまには自分でもって行くことにしよう。おかげで,久しぶりにゆっくりと,お話をさせていただくことができた。
 まずは,ACROSとFUJIBROの販売終了のことについて,うかがってみる(2018年4月4日の日記を参照)。すでに大手量販店等による「買い占め」が起こっているとして,「業務で使っている人のところへ商品を回せない」と憤っておられた。また,フィルムは海外の製品で代替が可能でも,RCタイプの号数印画紙は FUJIBROしかなかったので,利用者はどのようにするのがよいか,少々ご心配のようすである。
 ラボの人がおっしゃるには,「モノクロが最後まで残ると思っていた」とのこと。これは,私も漠然とだが,そう感じていたことである。まず,カラーネガフィルムが使われなくなり,ついでカラーポジフィルム,さいごに残るものはモノクロフィルムではないか,と。しかし現実には,その逆になりそうである。
 しかし,日本カラーラボ協会が公開していたデータ(*1)を見れば,全体のフィルムの消費はきわめて少なくなっている(2011年7月7日の日記を参照)わけだが,そのうちモノクロフィルムの占める割合は,ごくわずかなものにすぎない。なくなるべきものから順に,なくなっていっているだけなのかもしれない。

雨ではあるが,なにか撮りたくなるものがあるかもしれないので,いちおうカメラは用意していた。Kodak DCS 460である。ラボの人によれば,「はじめての,まともに使えるディジタルカメラ」として,愛用していた人がいたそうで,その人はメーカーの保守サービスが終了するまで,3台くらい乗りかえていたらしい。仕事の道具として使っていただろうが,必要な経費はそうとうなものだったはずだ。
 今日は,たまっていたポジフィルムを預けるとともに,Kodak DCS 460で撮ったデータのプリントも依頼して帰ることにした。「これは色調整が難しいので,あえて本来の色を求めずに,極端な色を出すために使うことにしています」というと,「専用のソフトを使っても難しかった」ということを教えてくださる。ラボの人がおっしゃるには,「このころのディジタルカメラは,フィルムに近い絵をつくろうとしていたのではないか」とのこと。最近のディジタルカメラが出力する画像は,フィルムによる絵を越えてしまい,独自の発展をしているのだろう,と。古いディジタルカメラで撮った画像に,どことなくフィルムで撮った写真のような雰囲気を感じることがあるのは,思い込みもあるのかもしれないが,実際にそのような絵作りが目指されていた可能性もあるのだろう。
 「最近の人は,乳剤のロットによるばらつきがあることを知らない」とも仰せであった。たしかにそうだろう,それを意識する場面がそもそもないのだから。

*1 統計情報 国内フィルム市場の動向 ロールフィルムの国内出荷本数推移 (日本カラーラボ協会)
http://jpia.jp/jcfa/archives/bis/report/report07.html#rep1


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