撮影日記


2018年04月04日(水) 天気:晴れ

ネオパンACROS終了のお知らせ

さまざまな種類のフィルムを発売するメーカーはすっかり少なくなったいま,富士フイルム,はモノクロフィルム,カラーネガフィルム,カラーポジフィルムをすべて発売している貴重な存在だった。10年以上前にくらべれば,そのラインアップはすっかりさびしいものになったが,それでもまだ,モノクロフィルム1種類,カラーネガフィルム7種類,カラーポジフィルム4種類が,いちおうラインアップされている(2018年2月13日の日記を参照)。ただし,そのうちのカラーネガフィルム「NATURA 1600」と「X-TRA 400」は,すでに販売の終了がアナウンスされている。
 先週末に,富士フイルムが発売するモノクロフィルム「NEOPAN 100 ACROS」の販売が終了する,という情報が流れていた。メーカーからの正式なアナウンスがWeb上に公開されるのは,今週末になるらしい。富士フイルムが発売するモノクロフィルムは,NEOPAN 100 ACROSだけだから,この販売が終了することは,富士フイルムからモノクロフィルムが発売されなくなる,ということである。

このたびの発表で販売が終了されることになる商品は,モノクロフィルムだけではない。モノクロ印画紙も,そこに含まれている。
 フィルムと同様に印画紙も,かつてはさまざまな種類のものがラインアップされていた。しかし,樹脂層のない旧来からの「バライタ」ペーパーや,フィルタによってコントラストの特性を変えられる「マルチグレード」タイプのものは,すでに富士フイルムのラインアップから消えている。いまでは,樹脂層のある「RC」ペーパーでコントラストの特性が固定された「号数印画紙」とよばれるものだけが残っている。このたびの情報では,残っていた印画紙の販売も終了されることになるようだ。

富士フイルムがモノクロフィルムやモノクロ印画紙の発売を終了したら,今後は外国製品を使うことを考える必要がでてくる。たとえば,ILFORDやKodakなどであれば,比較的,入手しやすいだろうか。実際に,かつてはそれらのフィルムを好んで使っていたこともある。それらの使用をやめたのは,価格が上昇していったこともあるが,販売店の店頭に安定して並ばなくなったことが大きな要因になっている。都会の大きなお店の状況は知らないが,広島市内のお店ではどんどん店頭のラインアップが寂しくなり,ほしいときにすぐに買えるものは,いつしか富士フイルムの製品くらいになっていた。その製品が,自分の好みや目的と極端にあわないというわけでもないならば,いつでも安定して入手できることは,とても重要なことである。
 さて,個人的には,富士フイルムのモノクロフィルムが入手できなくなることよりも,モノクロ印画紙が入手できなくなることのほうが,大きな問題になりそうである。たとえば,今後も比較的安定して入手できそうなモノクロ印画紙としては,ILFORDの製品がある。しかし,現在では,「RC」ペーパーの「号数印画紙」は,ラインアップされていないようだ。
 富士フイルムでさいごまで販売されていたモノクロ印画紙は,「RC」ペーパーの「号数印画紙」だった。このうち「フジブロWP FM2」は,フィルムのかわりに大判撮影をするのに適していると思っている。

とくに,4×5判をこえるサイズの撮影は,モノクロ印画紙をフィルムの代用にするとお手軽に楽しめる。このような用途には,2号のRCペーパーが好都合だと思うのである(2010年4月25日の日記を参照)。今後のことを考えれば,「マルチグレード」タイプのものを使うようにするのがよいだろうか(2014年5月7日の日記を参照)。手元にはまだフジブロが残っているので,しばらくはこれまでとかわらずに撮影を楽しもうと思う。

Okuhara camera, FUJINON WS 210mm F5.6, FUJIBRO WP FM2

ところで,ここでいう「フィルム」とは少し趣が異なるが,強いて言えば「チェキ」用のインスタントフィルム「instax mini モノクローム」が,日本のメーカーから発売されるさいごのモノクロフィルムということになったようだ(2016年10月7日の日記を参照)。


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