撮影日記


2017年06月24日(土) 天気:曇のち雨

大イチョウが弱ってきた?
保護のために囲いがつくられた

6月12日,17日,24日は,「パノラマ写真の日」である。120フィルムを使うパノラマカメラには,6×12判,6×17判,6×24判があることにちなんで,勝手に決めたものである。これらの日には,パノラマ写真を撮って,楽しもう。
 ただし,これらの120フィルムを使うパノラマカメラは,少々,敷居が高い。そこで,ライカ判の天地をマスクした13mm×36mmの,いわゆる「パノラマフォーマット」でもよいことにする。このフォーマットに対しては「疑似パノラマ」などと蔑む人もあるが,そもそも「パノラマ写真」とは「通常よりも横に(または縦に)長い写真」のことである。結果として,長い写真が得られるならば,フォーマットにこだわる必要はない。
 どうしても,13mm×36mmのいわゆる「パノラマフォーマット」を蔑みたい人に問うが,では「真のパノラマ」とはなにか?たとえば,6×12判のカメラを使って撮らなくても,4×5判のカメラで撮ってプリント時に横長にトリミングしてもよい。6×12判のカメラはパノラマ写真専用のカメラだが,6×12判のカメラを使わなくても同じようなパノラマ写真は撮れるのである。だから,「真のパノラマ」カメラとよべるのは,レンズやカメラが回転するタイプのカメラだけである。
 …だから,13mm×36mmのいわゆる「パノラマフォーマット」を蔑むことは,やめるのだ。結果としてのパノラマ写真を楽しもう。

6月12日,17日には,パノラマ写真を撮りに行く時間を確保できなかった。だから今日こそは,パノラマ写真を撮りに行きたい。カメラがくるりと回るタイプのパノラマカメラ,LomographyのSPINNER 360°を使うことにしよう(2015年6月12日の日記を参照)。これで,井仁の棚田(2016年9月10日の日記を参照)を撮ることを予定した。
 井仁に行くなら,筒賀のイチョウも近い。
 井仁で撮影する前に,筒賀神社の大イチョウのようすを確認しておくことにした。

大イチョウの周囲で,誰かが清掃をしている。しかし,いつもとようすが違う。大イチョウの周囲が広く囲われ,根元がきれいに整備されているのである。

Kodak DCS Pro 14n, AF Zoom-NIKKOR 28-80mm F3.5-5.6D

掃除をしておられたのは,宮司さんであった。相互にご無沙汰を詫び,お話しをうかがう。
 最近,樹木医の診断を受けたところ,木がやや弱っている傾向が認められたという。そこで,枝が伸びている範囲は人が立ち入って根を踏むことがないように,囲うことにしたとのことである。

Kodak DCS Pro 14n, AF Zoom-NIKKOR 28-80mm F3.5-5.6D

ほんとうならば,枝の広がりと同じように,木のまわりを円を描いて囲うのがよい。しかし,参道にあたる部分はあけておかねばならず,そこだけ囲う範囲が狭くなっている。

Kodak DCS Pro 14n, AF Zoom-NIKKOR 28-80mm F3.5-5.6D

参道にあたる部分に木道をつくることも検討したそうだが,落葉時に掃除がたいへんなことになることを考慮すると,結局こういう形にならざるを得ないとのこと。

Kodak DCS Pro 14n, AF Zoom-NIKKOR 28-80mm F3.5-5.6D

さらに,根の先には,肥料も打ちこんであるそうだ。
 これらの費用は100万円以上かかったそうだが,この大イチョウは県指定の天然記念物なので,維持のための費用は5/6まで県や町から補助が出たとのことである。残りは,氏子さんの寄付でまかなえたそうだ。

Kodak DCS Pro 14n, AF Zoom-NIKKOR 28-80mm F3.5-5.6D

とにかく根に負担をかけないように,かつては大イチョウのすぐ脇に設置されていた,県指定の天然記念物であることを示した標柱も,木から遠い場所に移設している。

ともあれ,宮司さんをはじめ地元の人たちは,この大イチョウを守りたいのである。だからといって,多くの人が訪れることを拒否しているわけではない。隣接する広場も,駐車場として整備していただいている。ただ,大イチョウに負担をかけないように,ほんの少しの配慮を,訪れる人は心がけるべきである。

筒賀の大イチョウを撮影に訪れる人は多いようで,古いものから最近のものまで,大イチョウを撮った写真も見せていただいていたら,井仁で撮影する時間がなくなってしまった。
 ということで,今年の「パノラマ写真の日」は,なにも撮影できなかったのである。
 まあ,よいお話しを聞かせていただいたのだから,よしとしよう。


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