撮影日記


2017年03月19日(日) 天気:晴

スイセン撮影で週末ナルシスト宣言

この秋に,約100球のチューリップを植えた(2016年11月13日の日記を参照)。一部につぼみも見えるようになったが,開花まではもうしばらくかかりそうだ。ハナモモのつぼみは大きくふくらんで,もうすぐ開花しそうであるが,今日はまだ咲いていない。昨年は3月20日にすっかり満開になっていた(2016年3月20日の日記を参照)ことにくらべると,今年は少し遅れているようだ。
 今日のところは,黄色いスイセンが,撮影を楽しめそうなくらいに咲いている。

Kodak DCS Pro 14n, AF Micro-NIKKOR 105mm F2.8S

スイセンは,園芸用に改良されているものも多いので,このスイセンをなんとよぶべきかはわからない。名前を書いた札を立てておいたはずなのだが,その名前を記憶にとどめないうち,どこかになくなってしまった。
 スイセンに関係のあるお話しとして,ナルキッソスの話がよく知られている。ナルキッソスはギリシア神話に登場する美少年で,水に映る自分の姿にひと目ぼれしてそこから離れられなくなりそのまま死んでしまう。その後,そこにスイセンの花が咲いていた,というものである。
 したがって,スイセンの花を撮るときには,水が必須なのである。

Kodak DCS Pro 14n, AF Micro-NIKKOR 105mm F2.8S

水滴にクローズアップし,さらに全体をハイキーにして撮れば,この花がスイセンであったことを忘れてしまいそうである。

Kodak DCS Pro 14n, Pancolar 50mm F2, belows

ナルキッソスは,ネメシスの呪いによって水面に映る自分の姿に恋をした,というお話しになっているようだが,ナルキッソスは水面に自分の姿が映るという現象を知っていた(理解していた)のだろうか?その上で,呪いによって自分の姿に恋をしたのだろうか?あるいは,そういう現象を知らない(理解していない)という設定で,あっさりと呪いの影響を受けたのだろうか?そもそも,自分の顔がどのようなものなのか,知らなかったのだろうか?残念ながら,そのあたりのことについての詳しいことを,私は知らないのである。

Kodak DCS Pro 14n, Pancolar 50mm F2, belows

…このようなことを考えながら撮っていたわけではないが,やや自己陶酔的な撮り方になっていたようだ。
 極端なクローズアップ撮影では,花の本来の姿はわからない。しかし,撮っているときは,夢の世界を覗いているような気分なのである。そこには,不思議な美しさを感じているのだ。趣味での写真撮影は「自慰行為的なもの」として揶揄されることもあるが,それくらいの気分にならなければ撮影というものは,楽しめないのではないだろうか。(公衆に迷惑をかけないならば)撮影中はナルシストになってしまうくらいが,ちょうどよい。
 …と,自分の行為を,正当化しておこう。

Kodak DCS Pro 14n, FUJINON-EP 75mm F5.6, belows

今回は,Kodak DCS Pro 14nでJPEGファイルとして出力させている。いちおうRawファイルも同時記録しておいたが,JPEGでの出力結果は,おおむね期待できるものであった。Rawファイルをいじると,もっとよい画像になるのかもしれないが,今日のところはこれでよい。
 なお,RawとJPEGの同記録をおこなったので,1コマ撮影した後に次の1コマを撮るまで,少し間ができる。結果として,1コマ1コマじっくり撮ることになるのは,私にとっては悪くない。

Kodak DCS Pro 14n, FUJINON-EP 75mm F5.6, belows

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