撮影日記


2017年02月16日(木) 天気:晴

ボディはなくてもレンズは増える
Mamiya-sekor C 300mm F5.6がやってきた

一眼レフカメラを使うときの楽しみの1つに,レンズを交換できることがある。最近の一眼レフカメラはズームレンズがセットで売られていることが一般的だが,かつてセットで売られていたものは,50mmの標準レンズだった。一眼レフカメラを買ってしばらく使うと,交換レンズがほしくなる。まずほしくなるのは,望遠レンズだろう。望遠レンズを使うと,遠くのものを大きく写せる。レンズそのものも長いので,カッコイイ。まずは100mmか135mm,つぎに200mm,そしていつかは300mmなどと考えていた人は,少なくなかったのではないだろうか。いまでははじめから,「10倍ズームレンズ」や「ダブルズームセット」で,いきなり300mmまでカバーするのが一般的である。

こんなレンズを,安価に落札できた。ただし,送料を含めると1000円ほどになる。

マミヤ645用の望遠レンズ,Mamiya-sekor C 300mm F5.6である。古い仕様のレンズなので,低分散ガラスなどを使っているわけではない。開放F値がF5.6というのは,ダブルズームセットに含まれる安価な望遠ズームレンズと同じようなものだ。ただしこれは,先にも書いたように,マミヤ645用という中判(セミ判)カメラ用のレンズである。
 マミヤ645用のレンズは,ようやくこれで2本目となる。ただし私は,マミヤ645シリーズのボディをまだ入手していない。では,なんのためにこんなレンズを買ったのか。それは,マミヤ純正のマウントアダプタを使って,マミヤZEシリーズのカメラで使うためである(2012年10月7日の日記を参照)。さらにマウントアダプタを重ねて,キヤノンのEOSで使ってもよい(2016年12月21日の日記を参照)。
 キヤノンのEOSで使うときには,EOSでマミヤZE用のレンズを使うためのマウントアダプタ「FOTODIOX Pro ZE-EOS」をつけ,そこにさらにマミヤ純正の「M645→ZE」マウントアダプタを重ねることになる。FOTODIOX Pro ZE-EOSにはテレコンバータが組みこまれており,その光学系があまり高性能ではないため,あまりよい描写は期待できない。どれくらい描写がよくないか,実際に撮ってたしかめてみよう。

Canon EOS 10D, Mamiya-sekor C 300mm F5.6, FOTODIOX Pro ZE-EOS

寺町の川沿いから原爆ドームまで,直線距離で約1000mである。
 FOTODIOX Pro ZE-EOSに内蔵されたテレコンバータは,装着したレンズの焦点距離を1.5倍にするので,Mamiya-sekor C 300mm F5.6は450mmレンズになる。Canon EOS 10Dの撮像素子はAPS-Cサイズなので,焦点距離が1.6倍のレンズに相当する範囲が写ることになる。つまり,ライカ判での720mmレンズ相当の条件で撮影したことになる。やや逆光条件であるためか,中心部がフレアがかって見える。これは,FOTODIOX Pro ZE-EOSの光学系にある収差の影響もあるのだろうか。その点さえ除けば,案外とまっとうな写りを示していると思う。主レンズである,Mamiya-sekor C 300mm F5.6の素性がよいのであろう。

Canon EOS 10D, Mamiya-sekor C 300mm F5.6, FOTODIOX Pro ZE-EOS

これは川の対岸を写したもので,距離は100mほどである。
 無謀にも手持ち撮影を試みたもので,1/1000以上の高速シャッターが切れているのだが,歩く速さにあわせてこころもち流し撮りをしたつもりになったところ,ちょうど上下の人の位置がうまくあった。こんどは逆光条件ではないためか,フレアは気にならない。

300mm程度のレンズであれば,安価なズームレンズがいくらでも入手できるのだから,こういう無理をする必要はない。だが,こういう「レンズ遊び」も楽しいもの。もしかすると,意外な発見があるかもしれないし。


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