撮影日記


2016年12月07日(水) 天気:晴

本末転倒!?
もらったアダプタを使うためにボディを買う
いまさらEOS10Dなんて,てんでぇ話にならないね

マミヤ・デジタル・イメージングの光学機器事業が,フェーズ・ワンに継承されたのは,1年前のことであった(*1)。これによって,「マミヤ」の名前はカメラ業界の表舞台から去ることになった。「マミヤ」のカメラは,過去のものになったのである。
 会社は過去のものになったが,まだまだ使える状態のマミヤのカメラは,市場にたくさん流通している。いまだに魅力的なシステムも,数多い。マミヤといえば中判カメラ,という印象を強くもっている人は少なくないと思うが,35o判カメラにも魅力的なものがある。マミヤとしてさいごの35mm判一眼レフカメラ,ZEシリーズは,基本的には絞り優先AEを中心にしたマニュアルフォーカスのシステムである。機能面ではシンプルなものであるが,なぜかボディとレンズとの間で情報をやりとりするための,多数の電気接点が設けられている。将来的には,オートフォーカスのシステムに発展するかもしれなかったというが,市販にば至っていない。
 マミヤZEシリーズは,メカニズムの面でも魅力的だが,レンズも気になる存在だ。
 スペック的には平凡なものだが,「どうせニコンやキヤノンにくらべれば,たいしたことないだろう」などと,なめてかかると驚くことになる。マイナーな存在だったから「一度くらいためしに使ってみよう」という軽い気持ちで入手したMamiya-sekor Zoom E 35-70mm F3.5-4.5が,驚くほどぐあいのよいレンズだったのだ。だから,ジャンク品を復活させたMamiya ZEだけではものたりず,ふつうの中古品としてMamiya ZE-2も購入したのであった(2002年5月25日の日記を参照)。その後,Mamiya-sekor Macro E 50mm F3.5やMamiya-sekor Zoom E 28-50mm F3.5-4.5も入手した。どちらも,期待にこたえてくれるレンズである。さらには,M645のレンズを使用するための,純正マウントアダプタも入手した(2010年9月3日の日記を参照)。
 レンズの描写に驚き,ボディもレンズもシステムを充実させた。標準ズームレンズに加えて,広角ズームレンズ,標準マイクロレンズ,そして(M645用レンズだが)望遠ズームレンズがあれば,まあじゅうぶんと言ってよいだろう。そうだ,タムロンのアダプトール2マウントもある。だが結局,私はMamiya ZEのシステムをあまり使っていない。なぜか。そう,レンズは魅力的でじゅうぶんなものがそろったのだが,ボディが少々,信用ならないのである。本気で撮りたいときに,マミヤZEのシステムだけでというわけにはいかない。

そのままだとマミヤZEのシステムは,防湿庫の奥に埋もれていくしかなかったかもしれない。
 状況が動いたのは,この春から夏にかけてのこと。
 「アサヒカメラ」(2016年5月号)に,赤城耕一氏によるマミヤZEについてのコラムが掲載されていた(2016年5月20日の日記を参照)。これを読んで影響を受け,久しぶりにマミヤZE-2を持ち出した。ついで,マミヤZEのレンズを,キヤノンEOSで使うためのマウントアダプタ「FOTODIOX Pro ZE-EOS」をいただいた(2016年6月22日の日記を参照)。前の持ち主によれば,「内面反射がひどくゴーストがよく出るので使えない」とのことである。さっそく,入手して以後ずっと出番のなかったCanon EOS 5との組み合わせで使ってみた。Mamiya-sekor Macro E 50mm F3.5を使ってモノクロフィルムで撮るかぎり,FOTODIOX Pro ZE-EOSによるゴーストもあまり気にならず,じゅうぶんに使えそうに思った(2016年6月28日の日記を参照)。
 このとき,ディジタルのEOSもほしくなった(笑)。
 もちろん,高級機である必要はない。初代Canon EOS kiss Digitalくらいなら,安く買えないだろうか…
 そして,3000円少々でこのような「よい出会い」があった。

Canon EOS10Dだ。「いまさら,10Dか?」「てんでぇ,話にならないね」などと言われそうだが,充電器とバッテリー1個をあわせて3000円少々だから,悪くないと思っている。マウントアダプタ遊びのお試しには,まあ,いいだろう。
 ただし,FOTODIOX Pro ZE-EOSには約1.5倍のテレコンバータが組みこまれている。また,Canon EOS10Dの撮像素子はいわゆるAPS-Cサイズなので,写る範囲は約1.5倍の焦点距離のレンズを使う場合に相当する。あわせて,2倍少々。50mmレンズを装着しても,100mmをこえる望遠レンズとして使うことになる。28mmレンズでようやく,(それも少々長めの)標準レンズ相当のものになる。
 とりあえずはMamiya-sekor Macro E 50mm F3.5での接写が多くなると思うので,100mm相当のレンズとして使うことになるのは,かって都合がよいのだ。と,思うことにしよう。

ともあれこれは,私にとってはじめての,ニコンFマウントではないレンズ交換式ディジタルカメラである。

*1 会社分割に関するご案内 (マミヤ・デジタル・イメージング 2015年10月,Internet Archivesのデータ)
https://web.archive.org/web/20151028035651/http://www.mamiya.co.jp/img/mamiyaphaseone.jpg


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