撮影日記


2016年11月04日(金) 天気:晴

常清滝は霧の中

例年11月3日ころには,三段峡の三段滝付近で,紅葉がもっとも見ごろになるように感じている。作木の常清滝ではそれより1週間ほど早く,筒賀の大イチョウはそれより1週間後に,それぞれもっとも見ごろになるように感じている。
 今年は,紅葉の進行が例年よりも遅いように感じる。
 それならば,常清滝は今日あたりが,ちょうど見ごろになっているかもしれない。

ひさしぶりに,作木の常清滝を訪れることにした。
 駐車場に着いたのは,6時前。まだ,周囲は暗い。6時半ころになってようやく明るくなってくると,周囲はほどよく霧に包まれていることがわかる。こういうときは,有名な「霧の海」が楽しめるのだろうが,そちらにはあまり訪れたことがない。当初予定していたわけでもないので,常清滝へ向かって歩きはじめる。
 常清滝の周囲は,紅葉がはじまっている。しかしそのピークには,まだ少々タイミングが早いようだ。

Kodak DCS Pro 14n, AF-S VR Zoom-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6G IF-ED

まだピークには早い,とはいえ,緑も茶も,赤も黄も,いろいろな色が存在する撮りごろなタイミングではある。

Kodak DCS Pro 14n, AF-S VR Zoom-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6G IF-ED

木々は色づきはじめているが,まだ,葉がほとんど落ちていないのである。
 いや,紅葉の写真を撮るのであれば,葉が落ちる前の色づきはじめのころは,そろそろ撮りごろのタイミングだ。だが,今日は落ちている葉を撮りたかったのである。川を,大量の葉が流れている場面を期待していたのだ。
 そういう期待をもって川を見ると,まさに期待はずれ。期待したほど,落ち葉がない。そういう面では,少々,時期が早かった,ということになる。

Kodak DCS Pro 14n, AF-S VR Zoom-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6G IF-ED

ここで,流れてくる落ち葉あるいは水面に浮いている落ち葉を,ニコノスで撮ることを計画していた。
 ニコノスを半分だけ水中に沈めて,水面に浮かぶ落ち葉を撮りたかったのである。水中専用のUW-NIKKOR 20mm F2.8のピントリングを無限遠にしておくと,空気中ではほぼ20cm〜30cmあたりにピントがくる。それを利用するのが,1つのパターン。さらに,レンズ前面に水を満たして,無限遠にもピントがくるようにして撮るのが,もう1つのパターン。この日のために,UW-NIKKOR 20mm F2.8の前面に水を満たして撮るテストをしていたのである(2016年8月25日の日記を参照)。
 また,常清滝は126mという落差がありながら,滝壺がほとんど発達していない。ふだんは水量もごく少なく,川もごく浅い。したがって,滝のすぐ下まで平気で接近できる。このような状況を利用して,滝のすぐ下,しぶきを浴びる位置で滝を見上げて撮ることも考えていた。
 残念だが今日は,せっかく用意したNIKONOS IV-Aの出番はない。

Kodak DCS Pro 14n, AF NIIKKOR ED 180mm F2.8S

落ち葉が期待はずれだったいっぽうで,霧に覆われた滝の表情がじつにおもしろい。

Kodak DCS Pro 14n, AF-S VR Zoom-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6G IF-ED

あるときしだいに薄れ,そのまま晴れるかと思わせてくれる。

Kodak DCS Pro 14n, AF-S VR Zoom-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6G IF-ED

しばらくすると,また濃くなってくる。

Kodak DCS Pro 14n, AF-S VR Zoom-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6G IF-ED

常清滝を覆っていた霧は,ときに薄れ,ときに濃くなり,激しい変化を楽しませてくれた。

常清滝での撮影は早々に切り上げて,まだ朝早いうち急いで三段峡へ行くことを計画していた。しかし,霧が予想外に楽しませてくれたせいか,快適に撮影をおこなえた。気がつくと,思ったよりもかなり長居をしていた。長居をしたわりには,写真撮影を目的に訪れたと思われる人はだれも来なかった。これも,快適に撮影できた一因だろうか。
 まあ,久しぶりに常清滝を訪れたのだから,少しくらい長居をしてしまっても,それはまったくかまわないのである。


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