撮影日記


2016年10月12日(水) 天気:晴

トイカメラをなめてはいけない
6×6判で楽しむ魚眼レンズ
Lomography Diana+とDiana Lens+ Fisheye 20mm

フィルムを使うカメラがほとんど発売されなくなった現在,Lomographyはフィルムを使うカメラを提供し続けている,貴重な存在だ。いまでもLomographyのWebサイト(*1)には,何種類かのカメラがラインアップされている(これだけでは,現在でも継続して生産されているのかどうかまでは,わからないが)。最近のLomographyはかなり高価格なレンズも発売しているが,もともとはあまり高価ではない,比較的お手頃な価格の製品が中心だった。それらの多くは,「トイカメラ」としてカテゴライズされるようなカメラのリメイク品だったこともあり,「安い粗悪なカメラを不当に高く売る」という見方をする人も少なくなかったようだ。そういう面が感じられることは,たしかにあった。それでも,現在においてもいまだ,フィルムを使ったさまざまな撮り方を提案してくる姿勢に対しては,一定の評価をしなければならないだろう。
 「Diana+」も,かつて「トイカメラ」としてカテゴライズされていたカメラを復刻したものである(2015年8月28日の日記を参照)。復刻にあたって,元のイメージを壊さないうえにさらに,機能を拡張している。拡張された機能の1つに,レンズ交換が可能になった,というものがある。交換レンズのうち,魚眼レンズを入手することができた(2016年6月12日の日記を参照)。試しに使ってみたところ,見た目よりもまっとうに写るのである(2016年8月2日の日記を参照)。
 10月10日「魚眼レンズの日」に使うには,じゅうぶんである。

Lomography Diana+, Diana Lens+ 75mm, 400TMY-2

木陰で,交通量調査をしている人がいた。そのすぐ後ろに立って,撮ったものである。このレンズがどれだけの広範囲を写しこめるか,納得していただけるだろう。

Lomography Diana+, Diana Lens+ 75mm, 400TMY-2

公園の平凡な遊具も,このように迫力満点となる。ここにぶら下がって遊んだ記憶が,よみがえってくることだろう。

Lomography Diana+, Diana Lens+ 75mm, 400TMY-2

周辺部は極端に歪曲する魚眼レンズも,中心部はまっすぐに写るものである。だから1歩ひいたところから撮れば,その写りは平凡で漫然としたものになる。

Lomography Diana+, Diana Lens+ 75mm, 400TMY-2

相手のふところに飛び込んで撮るのがよい,言いかえればそういうことになる。

Lomography Diana+, Diana Lens+ 75mm, 400TMY-2

これは,屋根のカーブと画面の曲線とをあわせようとしたものだが,そこは無視してさらに前につっこんで撮るべきだった場面だ。
 右のほうに写っている電車の行き先表示が,かろうじて読める状態にある。レンズの性能がいまひとつではあるものの,6×6判という大画面がそこをカバーしている。たしかに最高の性能とは無縁で,品質もいまひとつではあるものん,「フィルムを使って写真を楽しむ」ことはじゅうぶんにできるものになっている。Lomographyの「トイカメラ」を過剰に評価するつもりはないが,そんなに悪いものではないと私は思う。

*1 カメラ・ロモグラフィーオンラインショップ (ロモグラフィー)
https://shop.lomography.com/jp/cameras


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