撮影日記


2016年09月24日(土) 天気:晴

逆光は勝利 キットレンズをなめるな!

今年の9月は,例年以上に雨の日が多く感じる。ゆっくりと撮りに行く機会がないうちに,いつもよく撮りに行く場所のヒガンバナは,もう撮り頃を過ぎようとしている。したがって,ほんのわずかの時間でも,ヒガンバナを見たら撮っておきたい。そのためには,つねにカメラを持ち歩くことがたいせつだ。

多くの一眼レフカメラは,レンズを交換することができる。視点を変えてみれば,一眼レフカメラで写真を撮ろうと思えば,カメラ本体となんらかの交換レンズとが必要になる。したがって,一眼レフカメラは,レンズをセットにして販売されていることが多い。以前は50mmくらいの単焦点レンズが「標準レンズ」としてセットされていることが多かった。その後は,標準ズームレンズとよばれるレンズがセットされることも増えてきた。さらに,標準ズームレンズに望遠ズームレンズもくわえた販売形態もある。
 最近では,レンズをセットにした一眼レフカメラは,「レンズキット」といいう名称で販売される。そこに含まれるレンズは,キットレンズとよばれるようになる。一般的にキットレンズは,広角域から中望遠域をふくんだ,ズーム比が3倍程度の標準ズームレンズであることが多い。
 キットレンズは,使いやすくまた買いやすいものでなければならない。低価格化のためには,いたずらに高性能を追いかけないことから,開放F値が大きめの,やや暗いレンズとなる。また,プラスチック部品が多用され,見た目が安っぽくなる場合もある。しかしこれらの点は,レンズが小さく軽くなって,扱いやすくなるというメリットにもつながる。
 つねにカメラを持ち歩きたい場合,レンズが小さくて軽いというのは,とても大きなメリットなのである。

AF Zoom-NIKKOR 28-80mm F3.5-5.6Dは,Nikon F90Xなどとセットで販売されたキットレンズの1つである。キットレンズは,あくまでも廉価版レンズだ。しかし,一眼レフカメラの初心者がさいしょに使うことになるレンズであることをメーカーも強く意識しているのか,その写りは,値段や見た目ほど安っぽいものとは思えないことがある。じつに,かっちりとした写りを見せてくれる。

Kodak DCS Pro 14n, AF Zoom-NIKKOR 28-80mm F3.5-5.6D

ヒガンバナを「上から目線」で撮ると,どうしてもありきたりな構図になってしまう。だからローアングルで撮りたくなるのだが,これはこれで,ワンパターンとなる。そこで,思い切った「ど逆光」で,背景を白く飛ばしてしまおう。

Kodak DCS Pro 14n, AF Zoom-NIKKOR 28-80mm F3.5-5.6D

画面がフレアまみれになったが,それでも画像としては破綻していないように思う。このレンズは,「逆光にとても弱い」というわけではない。

Kodak DCS Pro 14n, AF Zoom-NIKKOR 28-80mm F3.5-5.6D

逆光は,勝利。キットレンズにされるような標準ズームレンズは,最短撮影距離が短いので,「マクロモード」に切り替えたりする必要もなく,スムースに被写体に寄ることができる。けっこう,万能なのである。

Kodak DCS Pro 14n, AF Zoom-NIKKOR 28-80mm F3.5-5.6D

エノコログサの穂が,朝日に輝いている。これも,「ど逆光」だが,画像は破綻していない。
 そう,キットレンズだからといって,なめてかかってはいけないのだ。


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