撮影日記


2016年08月27日(土) 天気:くもり

ライカ判1350万画素の魅力 Kodak DCS PRO 14n

ご厚意でいただいたKodak DCS Pro 14nは,2台あった(2016年8月26日の日記を参照)。それらのシリアルナンバーはそれぞれ1900番台と6700番台であり,製造時期にはそれなりの差があるものと思われる。外見については1900番台のほうはそれほどでもないが,6700番台のほうは業務で使われていたというだけあって,ずいぶんと使いこまれた雰囲気を漂わせている。全体に傷もあり,グリップ部のゴムはかなり劣化して,浮き上がった部分があったり,端が欠けていたりする。

あらためてバッテリーを充電し,それぞれのボディに取りつけて電源スイッチをONにする。どちらも,無事に起動した。カメラ部分はNikon F80に準じているようで,操作に迷うことはない。問題は,ディジタル部分のほうである。背面には撮影した画像を確認できるようなカラー液晶モニタと,設定状況などを表示するための液晶ディスプレイ。そして,多数のボタンがある。

まずは,いろいろと設定を確認しよう。
 カラー液晶モニタにいろいろと設定項目が表示されるものと期待して,「Menu」ボタンを押す。しかし,表示されない。おかしいなと思いながら,なんどか押していると,設定項目が表示された。電源スイッチをONにしてから,実際になにかの操作ができるようになるまで,少々の間が必要なようだ。十字キーの上下で設定項目を選択し,右で項目内容に入り,ふたたび上下で選択して「OK」ボタンを押す。「Menu」ボタンを押したままで十字キーの左右を押せば,タブを変えられる。とくに,操作に迷うことはなさそうだ。
 記録メディアは,CFカードとSDカードが使える。手もとにあるCFカードをいろいろ挿入してみたが,とくに問題はなさそうだ。FUJI FinePix S2 Proでは使えなかった4GBのカードも,Kodak DCS Pro 14nでは使えた。しかし,手元にある安売り品のmicro SDカード(2GB)や SDHCカード(8GB)は,いずれも認識してくれなかった。使えるSDカードについては,確認が必要になりそうだ。CFカードとSDカードは同時に使用することができ,記録モードはそれぞれ独立して設定できる。とりあえずはSDカードを「待機」(使用しない),CFカードを「JPEG」の最高画質(13.5MP)に設定した。
 さいごに,日時を確認。これで,撮影ができるはずである。

Kodak DCS Pro 14n, AF-S VR Zoom-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6G IF-ED

カメラでのJPEG形式による出力だが,ごくすなおに写ってくれた。Kodak DCS 460のTIFF画像のような,妙なクセもなさそうである(2016年1月22日の日記を参照)。

Kodak DCS Pro 14nでは,最大で4500ピクセル×3000ピクセルの画像として記録される。そこから,600ピクセル×400ピクセルの範囲を切り出してみると,これまで使ってきた600万画素級のディジタルカメラとの違いが実感できる(2016年2月10日の日記を参照)。

Kodak DCS Pro 14n, AF-S VR Zoom-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6G IF-ED

つぎに,暗い場面を撮ってみよう。

Kodak DCS Pro 14n, AF-S VR Zoom-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6G IF-ED

この露光中に,通行人がカメラの前を右から左へ通り抜けており,その影が右側の電車の右下あたりにうっすらと見えるはずだ。それくらいの露光を与えている。Kodak DCS Pro 14nは長時間露光にはあまり適していないとの評判だが,これくらいの場面ならISO 80相当の設定でも無難にこなしてくれそうだ。
 Kodak DCS Pro 14nの感度の設定は,ISO 80を基本としている。この点は,Kodan DCS 460と同じだ。ずっと昔に「フジやサクラのフィルムを使うときはここを100に,コダックのフィルムを使うときはここを80にする」と教えられたことを,彷彿とさせる(1997年4月3日の日記を参照)。
 Kodak DCS 460は,ISO 80相当でしか使えないのに対して,Kodak DCS Pro 14nは,ISO 400相当まで設定できる(13.5MPの場合はISO 400相当までだが,6.0MPモードにすればISO 800相当まで設定できる)。高感度に設定したときは,ノイズが顕著にあらわれるらしい。そのあたりも,いずれ確認しておきたい。

ともあれ短時間ではあるが,ライカ判の撮像素子をもつディジタル一眼レフカメラの快適さがわかった。そして,1350万画素のもつ可能性も感じられた。しかし,バッテリーはフル充電したはずなのだが,あっというまに残量が半分になったという警告が出た。バッテリーがそれなりに弱っているのか,それとも,そもそも電池のもちがよくない機種だったのか。そのあたりも,いずれわかるようになるだろう。
 さらに,2台体制なら予備機があるわけで,長く使っていけるというものだ。


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