撮影日記


2016年07月31日(日) 天気:晴だが激しい夕立あり

FUJI FinePix S2ProにはSB-16がよく似合う

今日は,親戚の者の結婚披露宴に出席した。写真撮影を頼まれたわけでもないし,とくにつきあいが頻繁だった者でもない。とはいえ,こういう場に出席してなにも撮らないというのも,つまらない(笑)。はじめは,コンパクトディジタルカメラでじゅうぶんだと考えていたが,だんだんと欲が出てくる。ご友人のかたがたはたぶんディジタルカメラで撮るだろうから,私1人くらいフィルムで撮っておいてあげるのも意味があるかな,とも考えた。いくらなんでも中判カメラを出撃させるほどじゃないだろうから,フィルムの一眼レフカメラとディジタルの一眼レフカメラと2台を使ってもいいかな,Nikon F90XとKodak DCS460との組みあわせで撮るのもおもしろそうだ。
 ところが,Kodak DCS460にはちょっとした問題点がある。それは,フラッシュが内蔵されていないことである。また,Kodak DCS460の感度設定は,ISO 80相当である。披露宴会場はビデオ撮影などのためにそれなりに明るい照明があるとしても,ISO 80相当の感度で,フラッシュをまったく使わないのは少々不安である。そこで,Kodak DCS460を使うのはあきらめた。そうすると,Nikon F90Xを併用しようという考えもなくなる。
 結局,FUJI FinePix S2Proだけを使うことにした。これのボディは,Nikon F80相当のものであり,フラッシュが内蔵されている。ISO 1600相当の高感度設定にするとノイズが目立つようになるが,ISO 400相当くらいであればさほど問題ではない。明るい会場であれば,ISO 400相当ならまあ大丈夫だろう。

しかし,披露宴は,それなりに広い会場でおこなわれる。念のために,大きめのフラッシュも使えるようにしておきたい。
 私の手元にあるフラッシュで大きめのものとしては,Naional PE-5651がある。ガイドナンバーは56 (ISO100/m)だから,明るさはじゅうぶんだ。しかし,この場合は外部調光となる。せっかくTTL調光に対応したFUJI FinePix S2Proを使うのだから,TTL調光のできるフラッシュを使いたい。FUJI FinePix S2ProでTTL調光のできるフラッシュとしては,Nikon SB-24を入手している。ガイドナンバーは35mmレンズをカバーする状態で36 (ISO100/m)だから,National PE-5651ほどではないとしても,じゅうぶんである。ただし,このSB-24は,取り付け部が破損したジャンク品だから,カメラに取りつけて振り回すような使い方はできない。TTL調光ケーブルSC-17で接続し三脚に固定しておく必要があるので,用途は室内で小物を撮るときなどに限定される。そのかわり,適当なACアダプタを直結して,AC電源専用ということにした(2008年5月26日の日記を参照)。だから,披露宴では使えない。

FUJI FinePix S2ProでTTL調光のできるフラッシュとしては,このほかにNikon SB-20を入手している。ガイドナンバーは35mmレンズをカバーする状態で30 (ISO100/m)だが,FUJI FinePix S2Proの内蔵フラッシュ(ガイドナンバー12)よりはじゅぶんに明るい。
 Nikon SB-20は,Nikon F-301/F-501AFの時代に発売された。TTL調光が可能なフラッシュであり,AF補助光が内蔵されたものとしてはさいしょのモデルとなる。左右へのバウンスはできないものの,上には90°まで,下にも1°のバウンスができる。28mmレンズ,35mmレンズ,85mmレンズに対応しており,発光部のドラムを回すことで照射範囲を切り替える。ワイドパネルをなくしたりする心配がないのはよいのだが,発光部のドラムを回すとともに,スイッチも切りかえなければならない。ここが発光部の選択と連動していないので使い勝手が悪く感じるが,頻繁にレンズを交換したり高倍率ズームレンズを多用したりしなければ,まあ問題はない。
 ただし,この発光部のドラムが不用意に動いてしまうことがあるのは,大いに問題である。飲酒する可能性の高い披露宴での撮影では,このような「罠」がしかけられている機材を使うことは,できるだけ回避したいものだ。

そこでこの機会に,あらたにフラッシュを購入することを考えた。購入対象は,現在のディジタル一眼レフカメラのi-TTL調光やD-TTL調光に対応していない旧モデルで,それらはディジタル一眼レフカメラでTTL調光が使えないことから,とても安価に流通するようになっている。いろいろ調べているうちに,Nikon SB-27が1000円少々で入手できた。
 Nikon SB-27は,Nikon F90の時代に発売された,横型のコンパクトなフラッシュである。ガイドナンバーは,35mmレンズをカバーする状態で30 (ISO100/m)だからNikon SB-20と同等であるが,装着したレンズの焦点距離に応じて発光部が自動的に24mm,28mm,35mm,50mレンズに対応した照射角に変更されるようになっている点は,機能的に充実している。一方で,発光部が上下左右に動くようにはなっていない点は,機能的に劣っている。そのかわりに,バウンス撮影のための反射板が内蔵されている。これは接写時にも使えるようになっている点が,おもしろい。ただ,何度も出し入れしていると,折り目から裂けてしまいそうな不安がある。

さらに,Nikon SB-16Bも入手できた。Nikon SB-16は,ニコンから発売されたTTL調光に対応したフラッシュとして,比較的初期のモデルである。SB-16にはカメラとの取りつけ部が異なる2種類があり,Nikon F3専用のSB-16Aと,そのほかの機種用のSB-16Bに区分される。後の機種にくらべるとずいぶんと大柄なフラッシュであるが,ガイドナンバーは35mmレンズをカバーする状態で32 (ISO100/m)なので,SB-20やSB-27とかわりない。照射角度の変更は手動式だが,発光部を上下左右自由に向けることができる。正面には補助発光部があって,バウンス撮影時でもつねに正面に光があたるようになっている。機械まかせなのでどこまで信用してよいかわからないが,失敗が少なくなりそうな気がする機能だ。

結局,披露宴にはFUJI FInePix S2ProとNikon SB-16Bを使うことにした。
 SB-16Bを選んだのは,バウンス撮影したり直射撮影したりを切り替えやすいことと,バウンス撮影時の失敗が少なくなりそうな補助発光部の存在が魅力的に思えたからである。

慣れない撮影で,ややとまどう点はあったものの,無難なものが何枚かは撮れた。ほぼ機械まかせで撮れたのだから,よしとしよう。
 披露宴そのものも楽しめたのはよいのだが,お開きになって外を見ると,どしゃぶりの大雨である。夏場特有の夕立というものであり,今夜は少しは過ごしやすくなるかと期待するが,ここで重大な問題に気がついた。梅の,土用干しをしていたのである。焼酎で軽く洗って,干しなおすしかないか。


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