撮影日記


2016年07月19日(火) 天気:晴

「あき亀山」駅を訪れた

JR可部線は,広島市西区の横川駅で山陽本線から分岐し,安佐南区を通って,安佐北区の可部駅までを結ぶ路線である。沿線は,住宅地がほぼ途切れることなく続いており,そんなに田舎というところではない。かといって,都会というわけでもない。
 可部線はかつて,可部駅からさらに北西方向にすすみ,安芸太田町の三段峡駅までを結んでいた。可部駅から先は,太田川に沿って谷間を通る。沿線には加計や戸河内といった町もあったが,沿線の多くは田舎という雰囲気の路線である。年々利用者が減っていったこと,三段峡駅で終点となって山陰方面へ通り抜けられない路線だったことなどが理由とされて,2003年11月30日をもって可部駅から三段峡駅の運行が終了し(2003年11月30日の日記を参照),廃止となった。
 廃止に反対する動きとは別に,可部駅から1駅分,河戸駅までの電化を求める動きも以前からあった。そして2011年2月に,可部駅から旧・河戸駅付近までの約2kmを2013年度中に電化して復活させる方針であることを広島市が表明し(2011年3月5日の日記を参照),2013年2月には,2015年春の運行開始を目指すことを広島市とJR西日本が発表した(*1)。当初の予定よりは遅れているが,2017年春の開業を目指して(*2)工事が進行している。
 そして先日,2016年7月8日に,あらたに設けられる2つの駅の名称が発表された(*3)。

お昼前後に少しだけ時間が空いたので,あらたに設けられる2つの駅のようすを見に行くことにした。

FUJI FinePix S2Pro, AF-S VR Zoom-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6G IF-ED

あらたに終点となる駅は,以前の河戸駅の少し先に設けられる。ホームの両側に線路があって,2本の列車が停車できるようになっている。さらに側線も見えるが,これは夜間などに列車を留置しておくために使われるのか,あるいは保線用の車両置き場になるのか。そこまでは,わからない。
 この位置で振り返ると,そこは旧・河戸駅の跡だ。

FUJI FinePix S2Pro, AF-S VR Zoom-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6G IF-ED

終点の駅の名称は,「あき亀山」。ここには,安佐市民病院も移転してくる予定とのこと。利用者の便も考えられてのことだろう。

FUJI FinePix S2Pro, AF-S VR Zoom-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6G IF-ED

ひらがなで「あき」と表記されるのは,以前,このずっと先に存在した「安芸亀山」駅と区別するためだろう。「安芸亀山」駅が使われなくなってから10年以上経っているので,いまさら駅名が重複しても問題ないはずだ。そうは言っても,鉄道の駅というものはランドマークでありえるので,異なる場所に同一の名称の駅が存在することは,やはり避けたほうがよい。
 そうではなく,単なるイメージチェンジかもしれないが。

Mamiya Universal Press, Mamiya-sekor 250mm F5, EPN
2001年4月1日に,「安芸亀山」駅にて撮影。

つぎに,「河戸帆待川」駅を見に行くことにする。駅名につけられた「帆待川」は小さな川であるが,神武天皇にかかわる伝承があるという(*4)。複数の地名をあわせて駅名にするのは,よくあるパターンだ。

FUJI FinePix S2Pro, AF-S VR Zoom-NIKKOR 24-120mm F3.5-5.6G IF-ED

ところで,この撮影中に重大なトラブル発生!
 日傘が壊れた (X-X)
 開いたときのロック機構が摩耗したようで,手で日傘を抑えながらなんとか河戸帆待川駅にたどりついたのだ。
 よく晴れた夏の日の,お昼どき。日陰がなくては,必要以上に疲れてしまうから,気をつけよう。

カメラやレンズが壊れた,あるいは,フィルムを巻き戻していないのに裏蓋をあけてしまった,などということにくらべれば,小さなトラブルではあるが。

*1 JR可部線の電化延伸について (2013年2月4日 広島市道路交通局都市交通部,西日本旅客鉄道株式会社広島支社)
http://www.westjr.co.jp/press/article/2013/02/page_3211.html

*2 可部線電化延伸区間の新駅について (2015年2月6日 西日本旅客鉄道株式会社)
http://www.westjr.co.jp/press/article/2015/02/page_6784.html

*3 可部線および山陽線新駅の駅名決定について (2016年7月8日 西日本旅客鉄道株式会社)
https://www.westjr.co.jp/press/article/2016/07/page_8915.html

*4 川の一里塚 帆待川 (国土交通省中国地方整備局太田川河川事務所)
http://www.cgr.mlit.go.jp/ootagawa/river/ichirizuka/tyuuryu/e.htm


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