撮影日記


2016年07月09日(土) 天気:曇ときどき晴

今年こそ,七夕は「OM707」で撮ろう!

カメラの名称には,「7」のつくものが多くある。「70」や「700」なども含めれば,とても多く使われている。たいていのカメラが,シリーズの違いや,シリーズの中での階級などをあらわすのに数字を使っているので,どの数字もまんべんなく使われているともいえるのだが,それでも「7」は目立つように感じる。
 「7」が,「7番目の機種」のようなものをあらわす例としては,距離計連動カメラの「キヤノン7」があげられる。1936年のハンザ・キヤノン以来,キヤノンの距離計連動カメラには,多くの機種がある。1949年にはCanon IIB (2B),1951年にはCanon IV (4),1956年にはCanon V T (5T),1958年にはCanon VI T (6T)などが発売されてきた。そして,1961年にはCanon 7が発売されている。
 「7」が階級のようなものをあらわす例は多くあるが,とりあえずニコンのディジタル一眼レフカメラをあげておこう。数値の大きいものほど上位モデルをあらわしており,Nikon D7000,D5000,D3000というぐあいにヒエラルキーを構成している。
 「7」のつくカメラでも,マミヤ7は,ちょっと例外的だ。6×6判の中判カメラにMamiya 6というシリーズがあり,6×7判だからMamiya 7ということだ。
 ともあれこれらの例は,「7」を使う必然性があるといえる。

一方で,唐突に「7」が使われた機種もある。そして,そのような機種ほど,その名称が印象に残りやすい。その代表例として,ミノルタX-7を指摘しておこう。このことに賛同してくれる人は,少なくないと思う。絞り優先AE専用のシンプルなカメラで,安価な価格に衝撃的なCMで,大ヒット商品になった。MINOLTA X-7はいわゆるエントリーモデルだったはずだが,その後「7」は,ミノルタの一眼レフカメラの中核モデルにつけられるようになっている。その前に,MINOLTA HI-MATIC 7という機種もあったのだから,そもそもミノルタは「7」が好きだったのかもしれないが。とくに,1985年に発売されたMINOLTA α-7000の大ヒット以来,ミノルタで「7」のつくカメラは,そのときのミノルタを代表する製品となってきた。
 MINOLTA α-7000が発売されて以降,各社からオートフォーカスの一眼レフカメラが続々と発売されてきた。MINOLTA α-7000が発売された翌年,1986年にはニコンからNikon F-501AFが発売され,さらにオリンパスからもオートフォーカスの一眼レフカメラ,OLYMPUS OM-707が発売された。それまでOM-1,OM-2といった名称が1桁の中級機種や,OM-10,OM-20といった名称が2桁のエントリーモデルが発売されていたが,オートフォーカスのモデルでは名称が3桁になり,しかも「1」からではなくいきなり「7」を名乗っている。MINOLTA α-7000にあやかって「7」をつけたのではないか?と,疑いたくなったものである。
 残念ながらOLYMPUS OM-707は,商売的には大成功しなかったようだ。中古カメラ店でその姿を見かけるのが少ないことや,オートフォーカスの後継モデルが発売されなかったことが,それを物語る。

7月7日は,七夕の日である。昨年,「7」がたくさんつくこの日に,不遇な存在といえるOLYMPUS OM-707 (OM77AFを含む)を見直してみようと考えた。しかし,当日は無情にも雨。織女と牽牛の相会うこともできなかったが,OM-707を活躍させることもできなかった(2015年7月7日の日記を参照)。このまま,OM-707の存在を埋もれさせるのはあまりに惜しいので,今年は,やりなおしである。

OLYMPUS OM-707を使うにあたって,まずは,このレンズを使いたい。

シグマの望遠ズームレンズで,75mm-200mm F3.8というものである。単に「シグマの望遠ズームレンズ」といえば珍しくもなんともないのだが,さすがにオリンパスAF用を見かける機会は多くない。ただし,オリンパスAF用レンズは,マウント側の電気接点が3つしかないので,見ればすぐにわかる。

昨年に入手したものだが(2015年12月31日の日記を参照),なかなか使う機会をもてないでいた。

OLYMPUS OM-707, SIGMA AF 75-200mm F3.8, ACROS

一般的に,このクラスの望遠ズームレンズには,性能の悪いものはあまりないという。このレンズも,周辺までとくに問題ない描写を見せてくれている。

OLYMPUS OM-707, SIGMA AF 75-200mm F3.8, ACROS

ボケ具合もごく素直なものだ。ただ,OLYMPUS OM-707は,プログラムAE専用の一眼レフカメラである(AFレンズ使用時)。プログラムシフトはできるものの,基本的に,絞りやシャッター速度を強く意識して撮るようなカメラではない。

OLYMPUS OM-707, OLYMPUS AF 35-70mm F3.5-4.5, ACROS

OLYMPUS OM-707では望遠ズームレンズを使うよりも,標準ズームレンズでお手軽に撮るのが似合っているのかもしれない。


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