撮影日記


2016年05月20日(金) 天気:晴

「アサヒカメラ」に影響されてマミヤZE-2を使う

先月発売された「アサヒカメラ」(2016年5月号)に,赤城耕一氏がマミヤZEについてのコラムを書いておられた。
 そのコラムには,いまとなっては珍しいカメラだから交換レンズの入手も難しいだろう,という意味のことも書かれていた。そこで取りあげたカメラは,たまたま安価に売られていたものを見つけたそうである。そう聞くと,50mm標準レンズつきのボディを入手されたのだろうと思うわけだが,そこに添えられた作例写真は標準レンズで撮ったものには見えない。掲載されたカメラの写真をよく見れば,28mm F3.5の単焦点レンズであることがわかる。けっして,平凡なセットではない。
 また,コラムでは,ワインダーもあるらしいが見たことがない,という意味のことも書かれていた。
 そんな記事を読んでしまうと,どうしても影響されてしまうではないか(笑)。

28mm単焦点レンズは入手していないが,マミヤZEにはこの,Mamiya-sekor ZOOM E 28mm-50mm F3.5-F4.5というズームレンズがある。高倍率ズームレンズがあたりまえの存在になった現在の感覚では,短焦点側が28mmなのはよいとしても,長焦点側が50mmというのは,ものたりなさを感じるかもしれない。だがこのレンズのコンパクトさは,そのものたりなさを,じゅうぶんに補って余りある。
 このレンズが発売された1981年ころはまだ,28mmをカバーする広角ズームレンズの数は少なかった(2007年3月19日の日記を参照)。さらに,私が入手できた範囲の日本カメラショー「カメラ総合カタログ」を参照したかぎり,はじめてボディとセットで発売された広角ズームレンズは,このレンズである(2007年5月11日の日記を参照)。だから,マミヤZEシリーズのボディを使いたくなると,まずはこのレンズを選択してしまう。赤城耕一氏の記事で28mmレンズが取り上げられていたのだから,なおさらのことである。

古い町並みを感じられるところは,ときどきカメラを向けたくなるものである。ところどころに,このような老舗が活動している。

Mamiya ZE-2, Mamiya-sekor 28-50mm F3.5-4.5, ACROS

いっぽうで,お店の痕跡と化している建物もある。

Mamiya ZE-2, Mamiya-sekor 28-50mm F3.5-4.5, ACROS

かつての幹線道路だった道だが,狭い道である。センターラインはなく,ましてや歩道もない。

Mamiya ZE-2, Mamiya-sekor 28-50mm F3.5-4.5, ACROS

ここをバスやトラックも通るせいか,歩く人はあまり見かけない。

Mamiya ZE-2, Mamiya-sekor 28-50mm F3.5-4.5, ACROS

家が途切れたところには,赤レンガの倉庫が隠れていた。

今日はワインダーを装着していたのも,記事を読んだ影響である。巻き上げ速度などは平凡なものだが,なにせ,その音がけたたましい。パチン,ジャーーーー,という爆音が,響き渡る。自動車が通っていない瞬間は,とても静かなところなのだ。
 そのけたたましさから,入手したもののあまり使わなかったのだが,自動的にフィルムが巻き上げられるというのは,やはり気持ちがよい。Mamiya ZE-2はボディもレンズもコンパクトなシステムなので,ワインダーをつけてもあまり大きく重くなったという印象を受けない。最近,大きめのディジタル一眼レフカメラを使うことが多いのだが,それにくらべればワインダーをつけてもまだまだコンパクトである。
 このように軽快なボディと,コンパクトでキリっと写るレンズとの組みあわせは,スナップ的な撮影にとても適しているように感じる。
 ただ,Mamiya ZE-2ボディは,もった印象があまりに「やわ」である。酷使すると,壊れてしまいそうな不安を感じる。そこが,ちょっとした欠点か(いや,ちょっとしたという問題じゃないだろ,それ)。

ともあれ,マミヤが発売したさいごの35mm判一眼レフカメラ(2010年9月2日の日記を参照),ZEシリーズの楽しさを思い出させてくれたことに,大いに感謝しなければならない私であった。


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