撮影日記


2016年04月14日(木) 天気:晴

Nikon COOLPIX 2500 復活!
バッテリーパックにバッテリーパックを内蔵

ニコンは,一般向けのコンパクトディジタルカメラを,「COOLPIX」という名称で発売してきた。さいしょの製品は,1997年に発売されたCOOLPIX 100である。これは,本体の一部がPCカードと同じ形になっていて,そのままパソコンに接続して撮影した画像の読み込みや削除などができた。一方,本体には液晶モニタがなく,本体だけでは撮影した画像の再生や削除ができない。パソコンの周辺機器としての画像入力装置,という位置づけのものだった。
 COOLPIXが「いかにもカメラらしい」スタイルになったのは,1998年に発売されたCOOLPIX 900からのことになる。ライカ判の38mm〜115mmに相当するズームレンズを搭載し,撮像素子は130万画素のもので,実用的な画像が得られるようになった。特筆されるのはレンズが「NIKKOR」を名乗ったこと,そしてレンズ部分が回転するよう(スイバル機構)になっていることである。レンズ部分を自由に回転させて撮影できるのは,フィルムを使うカメラではおよそ考えられなかったこと,ディジタルカメラならではのことである。レンズ部分が回転したり,取り外せるようになったりするディジタルカメラは,各社から発売された。フィルムを使うカメラとの違いを強くアピールする材料である,そのような判断があったのかもしれない。ともあれ,レンズの向きを変えられることは,たとえばウエストレベルファインダーのカメラと同じような撮り方もできるので,なにかと便利な機構である。

ニコンからはその後2003年ごろにかけて,スイバル機構をもつCOOLPIXが何機種も発売された。
 ずいぶんと以前のことになるが,そのような機種の1つ,Nikon COOLPIX 2500を救出していた。

Nikon COOLPIX 2500は,2002年に発売されたコンパクトディジタルカメラである。撮像素子は,200万画素のものが使われている。レンズ部が回転することによって,いわゆる「自分撮り」ができたり,ローアングルでの撮影もやりやすくなる。

記録メディアは,CF(コンパクトフラッシュ)カードを使う。残念なのは電源で,専用の充電式バッテリーを使うようになっている。このバッテリーが劣化していたため,充電器もあわせて入手しながら,これまでじゅうぶんに遊ぶことができないでいたものである。

背の低いサギゴケのような花を撮るときには,Kodak DCS460のような背の高いカメラは使いにくかった(2016年4月12日の日記を参照)。Nikon COOLPIX 2500の回転式レンズを活用すれば,撮りやすくなるのではないだろうか。
 Amazonで検索すれば,COOLPIX 2500用のバッテリーであるEN-EL2やその互換品が,入手可能であることがわかる。EN-EL2の価格は3000円から4000円くらい,互換品なら1000円くらいだから,これからずっとガシガシ使っていくつもりならば,それを買うのがいちばん問題ないだろう。だが,今回はあくまでも「ちょっと使ってみよう」という程度だ。また,EN-EL2がほかのディジタルカメラでも利用できるならばいいのだが,対応機種はNikon COOLPIX 2500と翌年に発売されたNikon COOLPIX SQの2機種だけである。使い道がごく限られたバッテリーに,そこまでお金をかけたくない。

Nikon COOLPIX 2500用のバッテリー,EN-EL2をあらためて眺めてみた。けっこう,厚みのあるバッテリーである。

ためしに,富士フイルムのバッテリーNP-60と並べてみると,よく似た大きさであることがわかる。

しかし,端子の配列が異なるので,NP-60をEN-EL2のかわりに使うことは,できそうにない。だが,一回り小さなNP-40ならば,EN-EL2に内蔵させられそうである。

EN-EL2のつなぎめをカッターナイフで切り開いていくことで,殻割は容易におこなえた。

なかに入っていたセルを取り去り,かわりに接点を設ける

こうして,NP-40をセットできるようにする。

蓋をできるほどの余裕はないので,このままNikon COOLPIX 2500に装填する。

EN-EL2の殻にNP-40を内蔵させたバッテリーによって,Nikon COOLPIX 2500は復活を果たした。たまたま,複数のNP-40を確保していたからこういう手段をとったわけだが,内蔵させるのに適当なバッテリーをもっていないなら,すなおにEN-EL2の互換品を買うのがよいだろう。

背の低いサギゴケをフレームに入れることは,期待通りにやりやすい。しかし,Nikon COOLPIX 2500が特別に接写に強くできているわけでもないので,サギゴケ撮影用のディジタルカメラとして活用するのは,難しそうだ。

Nikon COOLPIX 2500

接写にこだわらないなら,ローアングルでの撮影はとても便利で,問題なくおこなえる。

Nikon COOLPIX 2500

こういう撮影を積極的におこないたいなら,すなおに,バリアングル液晶モニタつきのライブビューが可能なディジタル一眼レフカメラを買うほうがよい。

また,Nikon COOLPIX 2500は,起動にかかる時間が気になるレベルである。だから,ふだん持ち歩いてスナップ的に使う用途にも,最適とは言い難い。
 だけどこれからもときどきは,レンズのスイバル機構を利用した撮影がしたくなる日があるだろう。バッテリーを流用できるようにしておいたから,当分の間,バッテリーの心配なく使えるだろう。

なお,バッテリーパックの分解や改造は,危険をともなうことがある。同様のことを試すときは,あくまでも自己責任でおこなうこと。


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