撮影日記


2016年04月02日(土) 天気:晴

スイセンと言えば やはり,水

被写体にじゅうぶんに近づいて撮る「接写」のためのレンズは,一般に「マクロレンズ」とよばれている。そのようなレンズでは,最大で等倍(フィルム上に実物と同じ大きさで写る)から1/2倍(フィルム上に実物の1/2の大きさで写る)の撮影ができる。ズームレンズでは,「マクロ機能付き」と称して,1/3倍から1/5倍程度の撮影ができるようになっているものもある。ただし,厳密には「マクロ撮影」は「等倍以上の倍率」すなわち拡大して撮影することをさす。それにしたがえば,等倍程度のレンズは「マクロレンズ」ではない。ニコン様のように「マイクロレンズ」と称するのが正しい(*1),ということになる。ましてや,1/5倍程度で「マクロ機能付き」と称して販売することは詐欺にも等しいことになるのだが,一般の市場ではそれが問題視されないのが実情である。

ライカ判カメラの接写用レンズには,標準系のものと望遠系のものがある。標準系のものの焦点距離は50mm〜60mmくらいであり,望遠系のものの焦点距離は100mmくらいのものと200mmくらいのものとがある。一般的に,もっとも使いやすいとされるものは,100mmクラスのものである。100mmくらいのレンズならば,被写体までほどほどの距離が確保でき,背景をボケとして処理しやすいなどのメリットがある。

Kodak DCS460, AF Micro-NIKKOR 105mm F2.8S

植えっぱなしにしているスイセンが,つぎつぎに花を咲かせている。スイセンには多くの品種があるが,うちにあるものは1つの花茎にだいたい3つの花がつく。その花はそれぞれ,てんでに勝手なほうを向いている。花は,6枚の花弁と,中央にある筒状の花弁とから構成されている。

Kodak DCS460, AF Micro-NIKKOR 105mm F2.8S

スイセンは観賞用としてさまざまな品種がつくりだされているが,「narcissus」という名称は,それらすべてを含んだスイセンの総称である。「narcissus」という名称は,ギリシア神話に出てくるナルキッソスという美少年の名前に由来する。水面にうつった自分の姿に恋してしまったナルキッソスは,そこから動かないまま死んでしまい,スイセンに生まれ変わった,というお話しである。
 スイセンは,上を向いて咲いているのではなく,下を向いて咲いているのが本来の姿であろう。

Kodak DCS460, AF Micro-NIKKOR 105mm F2.8S

半逆光で撮れば,花弁の透けるほど薄さが表現できる。

Kodak DCS460, AF Micro-NIKKOR 105mm F2.8S

そして,スイセンに水は不可欠。スイセンと水とは,切っても切れない関係である。

Kodak DCS460, AF Micro-NIKKOR 105mm F2.8S

花が終わったあとも,葉は枯れるまでそのまま残しておく。そうすれば球根が成長し,来年もまた,花を咲かせてくれる。スイセンは,植えっぱなしでOKなのだ。


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