撮影日記


2016年01月10日(日) 天気:曇ときどき晴

塩を吹いたバッテリーを入れ替えろ!
FUJIX DS-505Aの実用へ

カメラに電池を入れたまま放置していると,電池が液漏れを起こしたときに,電池そのものだけでなくカメラ本体も深刻なダメージを受けるケースがある。実際に,ジャンク品として出回っているカメラに電池の液漏れが原因と思われる腐食が見られるのは,珍しいことではない(2012年10月3日の日記を参照)。
 友人からいただいたFUJIX DS-505Aは,装着したままのバッテリーパック内の電池が液漏れを起こして固着してしまっていたが,幸いカメラ本体へのダメージはほとんどなく,清掃してACアダプタを接続したら正常に動作した(2016年1月4日の日記を参照)。しかしながら,電池そのものはもう使えない。電池が使えなければ,屋外での撮影ができない。そこで,バッテリーパックを殻割して,あたらしい電池を入れて使えるようにしようと考えた。電池を流用することや充電の都合などを考えて,市販の電池ボックスを利用することにしたが,電気抵抗が大きくなるせいか,カメラは正常に動作しなかった(2016年1月6日の日記を参照)。

バッテリーパックにおさめられている電池は,スポット溶接あるいはハンダづけによって,組電池として一体化していることが多い。電池の交換が難しくなるが,内部抵抗が小さくなるので電池の性能がじゅうぶんに活用できるからであろう。スポット溶接については,経験も道具もないので,すなおにハンダづけをおこなうことにする。
 まず,電池の接点をやすりで磨く。じゅうぶんに磨いたら,手早くハンダを流す。20Wクラスの小さなハンダごてでは,ハンダを乗せるのが難しいので,60Wのものを使用した。
 すべての接点にハンダを乗せたら,電池を並べてビニルテープで固定する。そして,各接点をできるだけ短く太い導線で接続する。バッテリーパックの端子と充電用の端子にもつなげば,完成だ。

あとは蓋をはめて,カメラに装着するだけである。なお,バッテリーパックが入る空間にはほとんど余裕がないので,バッテリーパックが開かないようにと外側にビニルテープなどを貼ってはいけない。引き出すときになかで詰まって,たいへんなことになる。実際に,取り出すのに苦労したのだから,この忠告は無視しないのがよい(笑)。

完成したバッテリーパックを装填して,電源スイッチをONにする。
 カメラは,起動した。
 シャッターレリーズボタンを半押しすると,オートフォーカスがはたらき,露出計も反応する。
 ここまでは,電池ボックスを使ったときと同じである。さて,問題はこの次。シャッターレリーズボタンを,押しこんだ。
 カシャン。
 歯切れのよい音が響いた。一呼吸おいて,ディスプレイの撮影可能枚数表示が,1つ減る。シャッターはちゃんと動作し,データも無事に記録されたようである。これなら,撮影にも使えるだろう。

たった1つのパックをばらし,生まれ変わった不死身の殻だ,プラのケースをナイフで開く,私がやらねば誰がやる。
 これが今の心境だ。むかしのアニメのオープニングのようになってしまったが,まあ許せ(笑)。

なお,くどいようであるが,上記のようにバッテリーパックの分解や改造を試す場合は,あくまでも自己責任でおこなっていただきたい。バッテリーパックを分解したり改造したりし,改造したバッテリーパックを使用することには,危険をともなう可能性がある,ということをお忘れなく。

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