撮影日記


2013年10月14日(月) 天気:晴

散歩には,小さく軽いカメラがいちばん
SIGMA AF 18-35mm F3.5-4.5 Asphericalの試し撮り

10月半ばになったのに,まだまだ暑い。夜になってもまだ暑いと感じる日が多いのは,どうしたものか。それでも,朝はずいぶんと涼しくなってきた。とはいえ,よく晴れた日であれば,ちょっと油断をしているとすぐに気温が上昇傾向だ。
 一昨日から,このあいだ救出した(2013年9月28日の日記を参照)シグマの超広角ズームレンズ「SIGMA AF 18-35mm F3.5-4.5 Aspherical」の試し撮りをはじめている。予定通り,使うボディはEOS kissだ。コンパクトで軽い一眼レフカメラと広角レンズとの組み合わせは,お気軽な撮影に適している。こんなレンズだから,どうしても超広角域の焦点距離で撮影したくなる。ちょうど,電話線の工事をしているところに遭遇した。

Canon EOS kiss, SIGMA AF 18-35mm F3.5-4.5,ACROS

この日は,吉原付近に泊まっていた。この界隈は,いまでも有名なソープランド街だが,そのようなお店の前やごく至近でもなければ,なんら変わるところはないふつうの町に見える。北へわずかに歩けば,「一葉記念館」だ。ちょうど,樋口一葉が移り住んだ家々を紹介する特別展 「樋口一葉の棲家」(*1)をおこなっており(2013年10月1日〜2013年12月25日),ついついじっくり見てしまう。一葉記念館で思ったより時間を食ってしまったため,外に出ると,強烈な日差しを背中に感じる。さらに北上すれば,日比谷線の三ノ輪駅に至るのだが,すでに日傘が必須な状況だ。
 以前にも書いたが,吉原という地域は,鉄道の利用がやや不便である。どの駅からも,等しく距離がある。そのかわり,複数の駅が利用できると前向きに考えることにしよう。日比谷線を利用するにしても,入谷駅なり三ノ輪駅なり,都合のよいほうが選べると考えたい。
 向かう先は,麹町。日比谷線と有楽町線との乗り換えは,どこでするべきが迷うところだ。地下鉄の路線図(*2)によれば,日比谷線の日比谷駅と有楽町線の有楽町駅とがつながっており,ここで直接に乗り換えられるように見える。しかし,日比谷駅と有楽町駅は,別の駅だ。その間,どれくらい歩かされるのか想像がつかない。また,路線図を見るかぎりでは,日比谷線は秋葉原駅から日比谷駅にかけてぐるっと遠回りをしているようにも見える。むしろ,茅場町駅で日比谷線から東西線に乗り換えて,飯田橋駅で有楽町線に乗り換えるといいのではないか?前回は,そう考えた。だが,飯田橋駅では,相当に歩かされたのである。
 だからこんどは,日比谷駅で乗り換えることにした。歩かされる距離は思ったほどではなく,乗り換えも1回で済むので,これが正解だと思う。

翌日からの仕事の準備なども含めて,麹町から市ヶ谷,そして半蔵門へと,ぐるっと1周することになった。お昼前ともなれば,暑さも本格的だ。麹町駅にもどってふたたび有楽町線に乗り,ほっと一息つくまでは,ずっと暑いのであった。それでも日陰に入った瞬間だけは,少しは涼しく感じられた。

Canon EOS kiss, SIGMA AF 18-35mm F3.5-4.5,ACROS

このあとは一昨日の日記に書いたように,「練馬大根最中」を買うために大泉学園駅へ向かったのだった。超広角レンズということに甘えて,ついつい横着して片手で撮ってしまう。

Canon EOS kiss, SIGMA AF 18-35mm F3.5-4.5,ACROS

しばらく18mmレンズを通した光景ばかり見ていると,35mmレンズを通して見る光景が,広角レンズのものとは思えなくなってくるからそれもおもしろい。かつて,はじめて14mmレンズを購入し使ったとき,14mmレンズばかりを使った直後に20mmレンズを使うと,超広角レンズではなくまるで標準レンズを使っているかのように錯覚したことがある(1999年4月6日の日記を参照)。18mmだとそこまで強烈ではなくとも,やはり感覚が少しおかしくなるようだ。

Canon EOS kiss, SIGMA AF 18-35mm F3.5-4.5,ACROS

無事に「練馬大根最中」を入手したあとは,夕方に友人と待ち合わせをしている渋谷へ向かうことにする。小竹向原駅から副都心線に入る電車に乗れば渋谷へ行けるのだが,まだ14時をすぎたところ。あまりに早すぎるから雑司ヶ谷駅で降りて,鬼子母神を訪れてみた。立派なケヤキ並木もいいが,大イチョウもいい。

Canon EOS kiss, SIGMA AF 18-35mm F3.5-4.5,ACROS

そのまま副都心線に乗りなおすのもおもしろくないし,まだまだ時間があるので,都電荒川線に沿って歩いてみることにする。よく晴れた休日のせいか,沿線には「鉄」と思われる,カメラを構えた人の姿がちらほら。まあ傍目には,私もそんな人の1人に見えていたかもしれないが。

Canon EOS kiss, SIGMA AF 18-35mm F3.5-4.5,ACROS

ただ,電車というものは,超広角レンズではなく,中望遠レンズで撮るのがすなおである,ということは間違いない。まあ,今日は「18-35mmレンズだけ」をもって歩くつもりだったのが,結局は,念のためにというかなんというか,35-80mmレンズも用意してしまっていたのである。どうも割り切れない,軟弱な自分がそこにいた。

Canon EOS kiss, EF 35-80mm F4-5.6 III,ACROS

都電が低いところへ降りて行ってしまったので,都電を離れ,目白通りから早稲田をめざす。超広角レンズを通してみる光景は,見慣れぬ世界だから撮っていると妙に楽しい。ただし,あとから見返すと「つまらないもの」を撮ってしまっていることに気がついてしまう。結局は,超広角レンズを通した刺激的な光景によって,感覚がいつもと違ってしまうということだろう。

Canon EOS kiss, SIGMA AF 18-35mm F3.5-4.5,ACROS
Canon EOS kiss, SIGMA AF 18-35mm F3.5-4.5,ACROS

雑司が谷から早稲田まで,たいしたことはないだろうと歩いてみたのだが,案外と距離がある。ふだんはこれくらい歩くのを(時間に余裕があるならば)苦にしないわけだが,地下鉄の乗り換えにおいては,100m以上歩かされると苦痛に感じてしまうのは,われながらおもしろい。
 さて,この坂を下れば,早稲田は近い。

Canon EOS kiss, SIGMA AF 18-35mm F3.5-4.5,ACROS
Canon EOS kiss, SIGMA AF 18-35mm F3.5-4.5,ACROS

そして,ようやく都電の早稲田終点に到着。そこでカメラを持った人に,「この近くに別の駅はないか?」と尋ねられる。私は東西線の早稲田駅を目指していたので,そのことを教える。もちろん,ちょっと距離があることもつけくわえる。その人は納得したようで,私の示したほうへ歩き出す。きっと,都電沿線を,電車に乗ったり降りたりしながらずっと移動してきたのだろう。さいごにそのまま都電で戻るのもおもしろくないので,道を変えたかったに相違ない。

東西線の早稲田駅についても,まだ時間に余裕がある。渋谷駅へ行くには,九段下駅で半蔵門線に乗り換えるといいのだが,しばらく銀座線に乗っていないような気がしたので,日本橋駅まで行って銀座線で渋谷駅へ向かうことにする。
 日本橋は,あいかわらず高速道路の下だ。

Canon EOS kiss, SIGMA AF 18-35mm F3.5-4.5,NEOPAN SS

ようやく夕方の雰囲気になり日差しが弱くなってきたが,ここで問題発生。ずっと使ってきた日傘が,壊れたのである。今日はもう日が陰ったので日傘を使うことはない。しかし明日から,困るかもしれない。このあたりにあるデパートに入れば確実に見つかるだろうが,あまりお手ごろな価格のものはないだろう(笑)。

Canon EOS kiss, SIGMA AF 18-35mm F3.5-4.5,NEOPAN SS

渋谷に移動し,待ち合わせまでの時間を利用して駅周辺のお店を覗いてみようと思ったが,洋服やかばんを扱っているお店はよく見かけるものの,日傘を扱っているようなお店をなかなか見つけられない。残念だが,日傘の購入はまた別の機会にしよう。とりあえず渋谷の交差点を渡るときには,こんな写真を撮りたくなるはずだ。実際,同じような構図で撮っていると思われる人を多数見かけたものである。

Canon EOS kiss, SIGMA AF 18-35mm F3.5-4.5,NEOPAN SS

昨夜は,宿泊場所を半蔵門に移動。朝,早く起きて周辺を散歩してみる。早朝はずいぶんと涼しくなっている。公園を見かけると,水飲み場を撮りたくなるのは,私の習性だ(笑)。

Canon EOS kiss, EF 35-80mm F4-5.6 III,ACROS

さて,だらだらと散歩の過程を書き連ねてみたわけだが,最後までおつきあいいただき感謝申しあげたい。ディジタルカメラでの撮影とは違い,フィルムを現像し,1コマずつスキャンするという手間をかけている。実際にはちゃんとプリントして,それをスキャンしたいところだが,今回はネガフィルムをスキャンしたものでお許しを。
 「SIGMA AF 18-35mm F3.5-4.5」についての私なりの結論を言えば,こういうお気軽な撮影には実に適したレンズだ,ということである。描写には超広角レンズとは思えないやや甘さを感じるところがあるものの,ちゃんと絞りが使えるならばある程度は改善されるのかもしれない。なにせジャンク品である,開放絞りしか使えない状態なのだから(笑)。1000円のレンズでこれだけ遊べれば,おおいに満足である。そしてこれが,今回の一連のお散歩における最後のショットだ。カメラは,プリワインディング(フィルムを装填するとまずパトローネからフィルムを引き出してしまい,撮影するごとにパトローネに巻き込まれていくので,万一途中で裏フタが開いても撮影済みのコマは守られ,最後に巻き戻しが必要ないしくみ)のCanon EOS kissなので,ネガのナンバーは「1」である。

Canon EOS kiss, SIGMA AF 18-35mm F3.5-4.5,NEOPAN SS

*1 一葉記念館 企画展「樋口一葉の棲家」 (台東区立一葉記念館)
http://www.taitocity.net/taito/ichiyo/ichyo_news/ichiyo_news20130827.html

*2 都内地下鉄路線図 (東京都)
http://www.metro.tokyo.jp/SUB/SUBWAY/large.htm


← 前のページ もくじ 次のページ →