撮影日記


2013年08月19日(月) 天気:晴

暑い夏 やっぱり冷えているのがいいね

「バイテンの日」は,大判写真を楽しむ日である。ほんとうなら「バイテン」である8×10判を使うべきなのだが,私は8×10判の機材をもっていないので,「四切1/2」判の組立暗箱で撮影をした。とはいえ,このサイズのフィルムや乾板は市販されていない。より大きなサイズのフィルムから切り出すという方法もあるが,完全な暗黒化で微妙なサイズを切り出すのは難しい。そこで,フィルムのかわりにモノクロ印画紙での撮影をするようになった。2010年の「ゴナナの日」を機会に,印画紙での撮影をいろいろ試してみた。その結果,「光沢面の2号印画紙を使う」「ISO感度3を基準にオーバー目に露光する」「軟調系のフィルム現像液で現像する」ようにすれば,まあまあ使えそうな像が得られそうなことがわかった。軟調系の現像液としては公開されているD-23の処方を使い,さらに希釈して使うようにし,とにかく反応を遅くゆるやかにしようと考えたものである。
 今年はちょっと方針を変えて,ミクロファインで現像することにした。
 その理由は,この夏の暑さである。暑くて,暗室に入っていられないのである(笑)。エアコンどころか換気扇すらないのが,大きな間違いなのはわかっているが,いますぐにどうこうできるものではない。ともあれ,薬品を計量し,現像液をつくる気にならなかったのだ。一方,ミクロファインは,つくりおきしているものが冷蔵庫にはいっている。まあ,そういう安直な理由なのだ。
 そうは言っても,現像するときは暗室に入らねばならぬ。ミクロファインを希釈し,さらに氷もぶち込んで,温度を下げる。現像を停止するタイミングは,タイマーよりもあらわれる像を見ながら決める。氷でじゅうぶんに冷えているせいか,ほどよいスピードで像があらわれる。だいたい,1枚あたり1〜2分くらいで処理できる。撮影した印画紙は6枚あり,すべて定着までおこなうのに30分くらいで済んだ。この時期,暗室に入っていられる時間も,それくらいが限度である(笑)。氷も,とうに解けている。
 暑い夏の現像は,いかにして十分に処理液を冷やすか,がポイントになろう。

Okuhara camera, FUJINON W 210mm F5.6, FUJIBRO FM2
Okuhara camera, FUJINON W 210mm F5.6, FUJIBRO FM2
Okuhara camera, FUJINON W 210mm F5.6, FUJIBRO FM2

さて,日が変わってネガ原版が乾いたら,密着焼きでプリントをつくる。原版になる印画紙と,焼きつける印画紙とを重ねあわせてよくなじませたら,あとは無理に抑え込まないのがいい。そのあたり注意してプリントしたのだが,なぜか中央付近がぼやけている。抑え方がよくなくて,浮いてしまったようだ。
 やっぱり,暗室の暑さが原因だろう。「早くここから出たい」という思いが強く,印画紙どうしをなじませるのが不十分だったに違いない。
 涼しくなる日を,待つしかないか?


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