撮影日記


2013年08月06日(火) 天気:晴

夜景を撮るならディジタルカメラ
しかし手ブレ補正は無駄な抵抗だった

毎日のように,暑い日が続く。夕立が降ることもあまりなく,毎日,夜になっても暑い。「とうろう流し」に訪れた人のなかには,ささやかな涼を求めての人もあったのではないだろうか。川沿いを吹く風は少しは冷たく,かすかに潮の香りを伴っており,心地よい。ただ,やはりそれなりの人混みであり,涼を楽しめるという状況にはやや遠い。
 今日は,Nikon D70をおもに使うつもりである。AF-S DX Zoom-NIKKOR 18mm-55mm F3.5-5.6G VRは,手ブレ補正システムのために夜景撮影に好都合なレンズだが,あくまでも廉価版ズームレンズなので,開放F値が暗い。55mm時は,F5.6だ。手ブレ補正システムは,3段分のシャッター速度を稼げるということになっているが,F5.6から3段分だと,F2である。それならば,F1.4やF1.8の50mm単焦点レンズを使うのと,手ブレの影響はかわらないことになる。むしろ,単焦点レンズのほうが,微妙に明るい分だけ,手ブレが少なくなることが期待できる。また,「とうろう」は流れるものだから,実際のシャッター速度が速い方が被写体ぶれも少なくなる。そのあたりを確かめたく,AF-S DX Zoom-NIKKOR 18mm-55mm F3.5-5.6G VRとAi NIKKOR 50mm F1.8Sを使うことにした。
 いちおう,ZENZA BRONICA ETRSも用意したが,これはずっと以前に装填したままのKODAK PORTRA400VCをそろそろ使ってしまいたいのが目的であり,今日の主役ではない。

さて,原爆ドームの周辺は,ちょうど上げ潮の状況である。まだ水位は低く,かつ,「とうろう」はどんどんと上流へ流れていく。原爆ドームとからめての構図がつくりにくい。

Nikon D70, AF-S DX Zoom-NIKKOR 18-55mm F3.5-5.6G VR (ISO1600)

「とうろう」は,相生橋よりも上流のほうへ集まっている。こちらは比較的人も少ないので,涼風を楽しめるかと思ったが,昼間の灼熱の日射のせいか,コンクリートの地面にはいまだに暑さが残っており,かえって涼しさを感じられない。そのわりには潮がどんどんと上がっていて「とうろう」の動きも速く,なかなか写しとめることができない。この場面では「手ブレ補正」は無駄である。Ai NIKKOR 50mm F1.8Sにつけかえたところで,予期していたことではあるが,Nikon D70のファインダーではAi NIKKOR 50mm F1.8のピントあわせが難しい。また,F1.8程度の明るさでは結局,「とうろう」を写しとめることはできない。これでは,ふつうに撮っても,あまりおもしろくない。
 上げ潮が止まったかと思う間もなく,こんどは下げ潮である。これもまた,思ったより流れが速い。上流から帰ってくる「とうろう」は,すでに火が消えているものもあり,もはや撮りごろとは言えない状況だ。
 ともあれ,いまだに2007年8月6日のときよりもまともな写真が撮れていない。

Nikon D70, Ai NIKKOR 50mm F1.8S (ISO1600)

そこで,Nikon D70での撮影はあきらめて,ひさしぶりにタカラトミー「3Dショットカム」を取り出してみた。これは上げ潮のときの,火のついた「とうろう」が集中していたときに撮るべきシーンであったか。まあ,こういう「おもちゃ」なディジタルカメラでも,発光体であればいちおう写ることは確認できたわけだ。

TAKARA-TOMY 3D shot cam

元安橋のほうへ移動し,ふたたび原爆ドームを背景にした「とうろう」が撮れないものかと思ったが,潮の流れはさらに速くなっている。これはどうしたところで,写しとめられそうにない。こういうときは,長時間露光をしてすなおに流してしまうのもいいが,被写体が動いているならば,そのまま動画を撮るとどうだろうか。

FUJI FinePix Z2

動画撮影をする予定はなかったので,ビデオカメラを用意していたわけではない。たまたま手もとにあった,コンパクトディジタルカメラでお手軽に撮影したものである。このとき,最近のディジタル一眼レフカメラには「動画撮影機能」が用意されたものもあることを思い出した。そろそろ,次のディジタル一眼レフカメラの購入を考えてもいいかなあ,と思いはじめたところである(2013年7月27日の日記を参照)。動画撮影機能のあるニコン様のディジタル一眼レフカメラといえば,D5000シリーズだ。D5000の中古品なら,そろそろお手軽な価格のものもあらわれている。これはヤバイ,物欲がむらむらとわきあがってくる。そうだ,D5000シリーズはAF-SレンズでなければAF撮影ができないのだ。いま私の手もとにあるAF-Sレンズは,AF-S DX Zoom-NIKKOR ED 18mm-70mm F3.5-4.5GとAF-S DX Zoom-NIKKOR 18mm-55mm F3.5-5.6G VRという廉価版標準ズームレンズが2本あるだけである。D5000の購入よりも,AF-Sレンズの充実が先決だ。とりあえず,FXフォーマット(35mm判フルサイズ,ライカ判)で使用できるAF-Sレンズをなにか買うことにしよう。と考えて,D5000に対する物欲を抑えこむことに成功した(笑)。


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