撮影日記


2013年07月20日(土) 天気:晴

腕時計で「老眼」のぐあいを確認しよう

「老眼」とは,眼の老化にともなって,近くのものにピントがあいにくくなる症状を指す。あなたの周囲で,腕時計をディジタル表示のものからアナログ表示のものに買いかえたり,小ぶりなものから大柄なものに買いかえたりした人はいないだろうか?あるいは,大画面のスマートフォンを購入し,「時刻を知るなら携帯電話で十分だから」と言っていたりしないだろうか?もしかしたらその人は,「老眼」のために,手もとの小さなものが見えにくくなったのかもしれない。まあ,気がついてもそのことには,ふれずにおくのがよいだろう。
 ところで,老眼の症状が顕著になるのは40歳から50歳くらいのことのようだが,眼の老化は30歳までにはすでにはじまっているとされる。あなた自身は,大丈夫だろうか?手もとに小ぶりなアナログ表示の腕時計があれば,ちょっと確認してみるとよい。
 まず,現在の時刻を読み取ることはできるだろうか。できれば,日常生活にはなんの支障もないはずだ。つぎに,文字盤を見てみよう。文字盤の中央付近には,「SEIKO」や「OMEGA」など,たいていその時計のメーカー名なりブランド名なりが記されているはず。それを読むことができるだろうか。それが読めたなら,つぎに文字盤の下の隅のほうを注意してみよう。そこには「JAPAN」や「SWISS」など,生産国名が記されていることが多い。
 そこまで読めれば,たぶんまだ,老眼の影響は深刻ではない。近眼の者は,老眼の影響が出にくいと言われているが,私もそれに該当するのだろう,まだ文字盤の文字をすべて読むことができた。

Nikon D70, Ai Micro-NIKKOR 55mm F2.8S (F8,1/4sec,ISO800)

ちなみに,この時計の文字盤の大きさは11mm×14mm程度であり,かなり小ぶりなものだ。下のほうにある「SWISS MADE」が読めるうちは,まだまだ大丈夫だ,と信じている。
 ところで,上の画像は,Nikon D70にAi Micro-NIKKOR 55mm F2.8Sをつけて撮影した。Nikon D70では,電気接点のないAi NIKKORシリーズのレンズを使うときには,露出計が作動しない。それでもあえてこのレンズを使ったのは,文字盤の細かい文字をちゃんと写し取るには,高い解像度をもつとされるレンズを使うのが好都合だと考えたからである。下の画像は,およそ40cmの距離から絞りF8で撮影した画像(3008ピクセル×2000ピクセル)から,中央部(600ピクセル×400ピクセル)を切り抜いたものだが,このようにちゃんと写っている。

Nikon D70, Ai Micro-NIKKOR 55mm F2.8S (F8,1/4sec,ISO800)

さて,ほんとうにAi Micro-NIKKOR 55mm F2.8Sは優れた解像力をもつレンズなのだろうか?なんだかんだ言っても,古いレンズである。とくにディジタルカメラに最適化したとされるレンズにくらべて,十分なアドバンテージをもっているのだろうか。厳密にくらべるなら,テストチャートのようなものを撮影するべきだろうが,ここでは簡単に済ませるため,同じ条件で同じ腕時計を撮影し,その中央部付近の描写だけをくらべてみようと思う。
 Nikon D70とセットで購入(2004年12月30日の日記を参照)したAF-S DX Zoom-NIKKOR 18-70mm F3.5-4.5G IF EDで撮影し,同じように中央部付近の画像を切り抜いた結果が,次の画像だ。

Nikon D70, AF-S DX Zoom-NIKKOR 18-70mm F3.5-4.5G IF ED (F8,1/4sec,ISO800)

単焦点のマイクロレンズと,高級品ではない標準ズームレンズとの比較であるが,ここまで差があるとは思わなかった。「SWISS MADE」の文字が,あまりに不鮮明である。
 Nikon D70を購入して以降,AF-S DX Zoom-NIKKOR 18-70mm F3.5-4.5G IF EDをずいぶんと使ってきた。たしかに,Micro-NIKKORにくらべて解像度があまりよくないという印象はあったが,ふつうに記念写真などを撮影するのに問題は感じていなかった。だから,今回の比較結果だけでは,AF-S DX Zoom-NIKKOR 18-70mm F3.5-4.5G IF EDを「写りのよくないレンズ」と評価することはできない。解像度は1つの重要な指標とはなるが,細かい文字などを複写するのが目的でなければ,そこまでの性能は必ずしも必要ない。また,なんといってもズームレンズにとっては最短撮影距離近くでの撮影になる。どうしても性能的に厳しいシーンなわけで,もっと離れた被写体で比較しないと可哀想というものだろう。
 ともあれ,このような複写目的に適したレンズではない,ということは確かなようだ。


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