撮影日記


2013年04月05日(金) 天気:晴

遠くの名所に行くよりも,身近な場所で写真を撮ろう。
平日でも,シノゴることができるのだから。

1月も下旬になると,沖縄から,サクラの開花の話題が聞こえてくる。そして広島での開花は,おおむね3月下旬ころになる。サクラが開花する地域は少しずつ北上していき,青森では4月末ごろ,北海道では5月になる。こうしてみると,サクラはずいぶんと長期間咲いているのかと誤解しそうだが,実際にはそんなことはない。開花がはじまってから満開となるまでがおよそ1週間,満開となってからほぼ散るまでがおよそ1週間で,多くの花が咲いていて見ごろといえるのは,1週間からせいぜい2週間たらずくらいの期間となる。撮りごろといえるのも,せいぜいこの週末までだろうか。
 サクラは,とても人気のある花といえる。サクラが開花する時期に,その花の見える場所で「花見」と称して宴会をするのを恒例のこととしている人も多いだろう。そのためか,都市部でも公園や川筋などにサクラが植えられているところも多い。民家の庭に植えられていることもある。各地に有名なサクラ並木があったり,立派なサクラの木があったりするなど,サクラの名所とされるところも数多い。サクラの写真を撮る人は,各地のそのようなサクラを撮り回っている人もあるようだが,私には残念ながら,そこまでの行動力がない。もっとも,サクラはあちらこちらにあるのだから,身近なところにもお気に入りのサクラを見つけることができるはずだ。遠くの名所ばかりでなく,身近なところにもきちんと目を向けるようにしよう,と思うことにするのであった。
 ともあれ,私がここ数年の間,気にかけているのは楠木のサクラである。おっと,テキトーに省略したら,なんのことかわからなくなるな(笑)。きちんと書くことにしよう,「楠木の大雁木」のサクラである。

「雁木」とは,ひとことで言えば階段状の船着き場である。かつて,太田川を利用した舟運が盛んだったことを物語るかのように,広島市内にはおよそ300カ所の雁木があるという。ここでいう「楠木」は地名であり,「楠木の大雁木」は,広島市内にある雁木のうち,もっとも大きなものの1つである。このあたりは川の両側がサクラ並木になっているのだが,私はこの雁木に覆いかぶさるようにある3本のサクラに,とくに注目しているのだ。

この雁木は,川の西側にある。したがって,朝日がよく当たることになる。対岸からだと,朝のうちに順光で撮れるということだ。少し上流の三篠(みささ)橋を渡ったところには,たぶんシジミ採りなどのための小さな船が係留されている。これを手前に置いて,向こうに見えるサクラを撮ろうと考えた。
 うまい具合に,引き潮である。足元はまだ濡れているのですべらないように気をつけなければならないが,ちょうど船の向こうにサクラが見える位置を確保できた。潮が満ちていたら,こうはいかない。さて今日は,4月5日だ。毎年恒例の「シノゴの日」である。だから今日は,4×5判で撮らねばならない。なぜこの風景を撮るのに4×5判を使うのか?と問われれば,迷うことなく,今日は4月5日だからだと答えることになる。

ここは職場に近いため,少し時間に余裕があれば,写真を撮ることができるのだ。また,出勤前のころは,順光で撮るには光の具合がよい。わざわざ遠くの名所に行かなくても,身近な場所でもっと写真を撮っていきたいものである。ほんとうは,遠くの名所に行くだけの余裕もほしいのだが(笑)。

なお,今日の日記の画像はすべて,携帯電話機あるいはコンパクトディジタルカメラで撮影したものである。


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