撮影日記


2013年04月01日(月) 天気:晴

今年のサクラは,ちょっと早い。
ちょっと気になるのは,球場跡地。

これは,昭和初期に製造されたカメラで,「Golden Bird」という。シャッターの銘は「UEYAMA」と称しており,エバーセット式のものでT, B, 1/25, 1/50, 1/100が使用できる。レンズは,3枚玉のKintior 5cm F3.5が搭載されている。
 「Golden Bird」は,「金鳥」とも称しており,レンズの名前は「キンチョール」と読む。

…と,ここまで書けば,これがいわゆるエイプリルフールのネタであることが,おわかりいただけるだろう(笑)。もしこれが実際に発売されていたら,「金鳥の夏,日本の夏」というセールスコピーとともに宣伝されていたに違いない。フジカラーが「お正月を写そう」というセールスコピーを使っていたように。ともあれ,4月1日になった。新年度である。早いもので,今年ももう4分の1が過ぎてしまったのである。

昨年の夏は,もう冬が訪れないんじゃないか思うくらい暑かったが,それでもちゃんと冬がやってきた。それも,いつになく寒さが厳しく感じた,冬らしい冬である。その寒さもなかなか緩まなかったが,サクラの開花は,いつもよりちょっと早く進行した。ちゃんと,季節はめぐっているのである。カレンダーをめくり,4月になるときには,ちゃんとサクラが咲いているのである。川土手のサクラ並木はほぼ満開,芝生には多くの人がくつろいでいる。川にボートを停めてサクラを眺める人たちの姿は,広島の特徴的な風景の1つといってもいいだろう。

FUJI FinePix Z5fd
FUJI FinePix Z5fd

川の遊覧船も,観光で訪れた人たちを中心に,高い人気を保っているようだ。川の両側にサクラが満開なこの時期は,とくに多くの人が利用していたのではないだろうか。

FUJI FinePix Z5fd

平和記念公園も,サクラの花はいい具合である。旧・広島市民球場の跡地では,4月19日からはじまる「ひろしま菓子博2013」(*1)の準備がすすめられている。球場は外野スタンドの一部を残してほぼ解体されてしまい,原爆ドームのうしろ側に見えていたナイター用の照明もなくなった。原爆ドームの背景がすっきりしたわけだが,個人的には寂しくもある。

FUJI FinePix Z5fd

いま,この球場跡地の利用方法について,議論がすすめられている。
 原爆ドームのうしろに球場のナイター照明が見えることを嫌っていた人もいたようだが,個人的にはそうでもなかった。ただ,雁木を降りていったところで,照明の見えない場所があることを把握していたのも事実である。原爆ドームのうしろに照明が見えても気にならなかったのは,野球観戦ができることも平和をあらわしているように感じるからだ。そこを本拠地とする広島東洋カープは,戦後の広島に希望を与えてきたことになっているという「物語」が付随するから,なおさらである。だから個人的には,いまさらそういう「物語」の付随しない施設が,原爆ドームのうしろに見えることには,ちょっと抵抗がある。そういう,いわゆる「ハコ物」をつくるならば,高さを抑えるなど工夫がほしいところだ。
 ただし,理科系の博物館のような施設ができるというなら,個人的には歓迎だ,反対しないだろう(笑)。

*1 ひろしま菓子博2013 (公式サイト)
http://www.kashihaku2013.jp/


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