撮影日記


2012年11月04日(日) 天気:曇

三江線はどうなる
国道375号線の改良がすすむ

当時の環境庁などが後援となり,1990年に制定された「日本の滝100選」というものがある。広島県内からはただ1つ,当時の双三郡作木村(現在は三次市の一部)にある常清滝が選ばれている。常清滝のある作木へ通じる道は,江の川に沿う国道375号線と,布野からの県道62号線とがある。
 広島市内方面から作木を訪れるときは(高速道路を利用しないならば),国道54号線を三次からさらに北へ布野まで進み,県道62号線へはいって西へ進むルートが一般的だろう。三次から作木までの国道375号線は,ところどころ離合困難な場所があり,通りにくい道なのである。しかし,布野を経由するルートは,やや遠回りに見える。だから私は,国道54号線を吉田まで進み,そこから県道6号線や高北広域農道を経由して,式敷から国道375号線にはいるというルートをよく利用する。このルートは近道に見えるし,なによりも交通量が多くない。また,吉田から先は交通信号もほとんどない。ただ,式敷からの国道375号線には離合困難なところが多かった。とはいえ,そんなに交通量が多いわけでもないから,さほど通りにくいという印象はなかったものである。
 そんな国道375号線も,少しずつ道路の改良が進められていた。いまは式敷から作木まで,2つの大きなトンネルがつくられたこともあり,以前よりもずっと楽に行くことができる。

常清滝は,126mという高い滝である。滝より上流の流域が広くないこともあって,ふだんの水量は少ない。しかし,ちょっと大雨が降ると,激しい姿を見せてくれる。また,秋には周囲の木々が紅葉し,冬には凍りつくこともある(2009年1月21日の日記を参照)。そんな表情の変化がおもしろく,ひと月になんども通っていたこともある。最近は,ちょっとごぶさたなのだが。
 今日の常清滝は,紅葉を撮るには微妙に早かったか,というタイミングであった。夜が明けたばかりの常清滝には,ほかに人影もなくのんびりと撮影を楽しめる。

ついでに,動画の試し撮りもしてみる。

国道375号線の改良がどこまで進んでいるかたしかめたく,帰路は式敷からさらに三次方面へ進んでみることにする。しかし,ほどなく離合困難な区間があらわれる。とはいえ,道が狭くなっているのはごく部分的であり,対向車も少ないため,すいすい進むことができる。
 国道375号線と同様に,JR三江線も江の川に沿っている。香淀駅の手前で三次行の列車を見送ったのだが,所木駅のあたりの対岸で,その列車に追いついてしまった。ふつうに運転していても,じゅうぶんに「追っかけ」ができそうである。三江線が江の川に忠実に沿っているのに対して,道路はトンネルでショートカットする部分があるのも一因だろう。また,三江線には徐行区間があり,駅に停車する必要もあることから,結果としてクルマのほうが速い,ということになるようだ。
 三江線の利用者は,いま,たいへん少なくなっている(*1)。現在,三次駅を発着する三江線の列車は,1日に5往復で,すべて1両で運転されている。だからといって,廃止されるという具体的な話は,出ていないようだ。理由の1つに,並行する道路がよくないというものがあるらしい。だが,国道375号線の改良は少しずつだが進んでいる。
 いま,三江線では社会実験として,バスによる増便がおこなわれている(*2)。列車ではなくバスを使うのは,「車両が足りないから」(*3)という事情もあるようだ。「三江線の利用促進」の方法をさぐるものということのようだが,鉄道からバスに転換した場合の運行ルートを検討する材料にもなるのではないかと勘繰ってしまう。
 今後,どうなるかはわからない。

画像,動画とも,FUJI FinePix Z5fdで撮影。

*1 岩泉線(茂市〜岩泉)について (JR東日本 2012年3月30日)
http://www.jr-morioka.com/pdf/press/pdf_1333088629_1.pdf
PDFファイルの8ページ目(書類のページノンブル7)に「全国のご利用の少ない路線」の一覧がある。

*2 JR三江線増便社会実験(バス)の実施について (JR西日本 2012年8月24日)
http://www.westjr.co.jp/press/article/2012/08/page_2427.html

*3 三江線が列車ではなくバスで増便するのはなぜ? (NHK広島放送局【あなたの声 聞かせてください】 2012年10月10日)
http://www.nhk.or.jp/hiroshima/koe/blog/2012/1010.html


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