撮影日記


2012年10月19日(金) 天気:晴

よく晴れた日
偏光フィルタの威力を思い出す

2008年の年末ころから,カラーネガフィルムの現像に「ナニワカラーキットN」も利用するようになった(2008年12月2日の日記を参照)。これを使えば,現像のコストを下げることもできるし,カットしてつくったフィルムなども現像できるなどのメリットがあった。しかし,この春ごろに,カラー現像液のセットである「ナニワカラーキット」の製造販売が中止になった。カラーネガフィルム用の「ナニワカラーキットN」は早々に品切れとなり,カラープリント用の「ナニワカラーキットS」もすでにほとんど売り切れたようである。「ナニワカラーキットS」も希釈すればカラーネガフィルム用に使えるらしいので,さいごになんとか1箱は確保したのだが,それを使ってしまったあとはどうしようか。悩ましいところである。

10月も半ばを過ぎて,暑くもない寒くもない,過ごしやすい季節になった。そして,今日もよく晴れている。先日に引き続いてMamiya ZE-2を使いたいところだが,Mamiya ZE-2を使うならばこんどこそはMamiya-sekor C ZOOM 105mm-210mm F4.5も使いたい(2012年10月8日の日記を参照)。だが今日は,所用あって出かけるついでに平和公園に立ち寄るだけだから,三脚を持ち歩きたくない。そこで,以前から懸案の事項になっていた,MINOLTA SRT101とMC28mm F3.5,MD35-70mm F3.5レンズの試運転をすることにした(2011年4月3日の日記を参照)。

MINOLTA SRT101は,ミノルタの一眼レフカメラではじめて,TTL露出計を内蔵した機種である。TTL露出計を内蔵した一眼レフカメラの発売は,トプコン(TOPCON RE Super),ペンタックス(PENTAX SP),ニコン(Nikomat FT)などより遅れることとなったが,CLC方式という独特の「上下2分割」の測光方式を採用している。これによって,たとえば横位置で人物などを撮影するときに,背景の空の明るさに影響されて被写体の顔が暗くならないような適正な露出が求められるとされている。カメラは,大柄で重く,とても頑丈な印象を受ける。そういう面では,Mamiya ZE-2とは対極にあるカメラだ。ファインダーも無理に小さくつくっていないのだろうか,とても見やすいものである。28mm F3.5という被写界深度の深いレンズを使っても,少なくとも日中の屋外では,ピントを見るのにあまり苦労を感じない。MINOLTA SRT101のファインダーを通して見ると,いつもの風景がなんとなくいつもよりきれいに見える。これは,撮っていて楽しくなるタイプのカメラだ。そして,いかにも秋らしい,青い空。あまりにベタではあるが,久しぶりにPLフィルタをくるくる回して,濃い青空を楽しんでしまったのである。
 ただ,残念なことに今日は,ネガカラーフィルムのフジカラー100を使用した。「ナニワカラーキットS」で現像するなら,もう少し,フィルムをためこんでからの現像となる。だから,今日,MINOLTA SRT101で撮った写真は,まだ現像できていない。

「原爆の子の像」の話はよく知られていると思うが,その周囲には,多くの折鶴が供えられている。以前は周囲の台に積みあげるようになっていたのだが,雨に濡れる問題や,放火事件が起こったことなどから,2002年に折鶴を供えるためのブースが設けられた(*1)。屋根と透明な壁のあるブースが設けられたことで,折鶴が守られるようになったのである。しかし,供えられた折鶴と「原爆の子の像」とを同時に写そうと思うと,少々,面倒なことになる。ブースの壁に周囲の風景が,反射してしまうのである。
 そこで,ここでもPLフィルタの登場となる。
 PLフィルタのはたらきは,「青空を濃く写す」のではなく,「不要な反射を抑える」ものだ。まあ,不要な反射が抑えられるから,結果としてコントラストがあがって見えるようになるといえるわけなのだが。ともあれ,携帯電話で撮るときだって,PLフィルタは十分にはたらくのである。

NTT DoCoMo P905i,PL filter

過ごしやすい季節は,修学旅行の季節でもあるのだろうか。平和公園には,修学旅行と思われる団体の姿も目立つ。「原爆ドーム」の周辺では修学旅行の団体は説明を聞くなど団体行動をしているようなので存在が気にならないのだが,「原爆の子の像」付近では自由行動になっているのだろうか。そういう生徒たちがうろうろしている。そんな場所でカメラを構えていると,そういう生徒たちを隠し撮りしていると疑われるのではないかと,いらぬところで気をつかわねばならぬ(笑)。

*1 平和記念公園・周辺ガイド「16 原爆の子の像」を参照 (広島平和記念資料館)
http://www.pcf.city.hiroshima.jp/virtual/VirtualMuseum_j/tour/tour_mai.html


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