撮影日記


2012年05月13日(日) 天気:晴

金なら1枚,銀なら5枚

カープは,今年もすでに「定位置」である5位にいる。ここ数年,ベイスターズのおかげで最下位だけは免れていたわけだが,油断はならぬ。なにせここまで,勝利数のおよそ半数が,ベイスターズから勝ち取ったもの。ベイスターズ相手に連敗しようものなら,たちまち最下位陥落の危機にみまわれかねない。
 そのベイスターズだが,今年から親会社が変わった。あらたな親会社は,インターネット上のサービスを提供する「DeNA」という企業である。「DeNA」が提供するサービスの1つに,携帯電話用のゲームがある。提供されるゲームのなかには,ほかの参加者とコミュニケーションをとりながらプレイするタイプのものがあり,そのようなゲームは「ソーシャルゲーム」とよばれる。DeNAが提供するものを含めて,ソーシャルゲームの多くは基本的に無料でプレイできるようになっているが,ゲームを有利に進めるためのアイテムが,有料で提供されていることが多い。このような「アイテム課金」が,この種のゲームの収益につながっているようだ。
 2012年5月9日に消費者庁は,ある種のアイテム課金が景品表示法上の問題行為(違法の可能性がある)を指摘した(*1)。そこでは,いくつかの表示が「検討事項として想定」されており,アイテム課金については次のような表現で取り上げられている。

いわゆるフリーミアム(基本的なサービスを無料で提供し、高度な、あるいは、追加的なサービスを有料で提供して収益を得るビジネスモデル)における正確でない「無料」といった表示

具体的な例としては,有料の「抽選」を通じて何種類かのアイテムを集めることで,特別なアイテムが付与されるという「コンプガチャ」とよばれるしくみが,ターゲットの1つになっているようだ。この発表があったせいか,多くのソーシャルゲームでは,コンプガチャを近いうちに終了させることを発表している。

さて。

「いくつかのアイテムを集めると,特別なアイテムをもらえる」というしくみで,なにか思い出すものはないだろうか?そう,「金なら1枚,銀なら5枚」の,「森永チョコボール」だ。このしくみは,「金を1枚と銀を5枚」ではないので,「コンプガチャ」のような問題点を指摘されることはないようである。実際,1967年の「まんがのカンヅメ」以来,45年もの間,少しずつ形を変えながらもこの懸賞は続いている(*2)。いまもらえる景品は「おもちゃのカンヅメ宇宙缶」または「おもちゃのカンヅメ地球缶」というもののようだ。
 景品は,基本的に「おもちゃのカンヅメ」という名称なのだが,私がもらったものは「玉手箱」というものだった。これは,1976年から1977年のことである。

「玉手箱」の蓋を開けると,こんな感じだ。大丈夫,煙が出たりはしない。

これは,「ビル」の形をしており,入れ子になっている。そして,いちばん内側に,小さなおもちゃが入っている。ところで,どうして8個もあるのか?と疑問に思われる方もあるだろう。それは,「金のエンゼル」を3回も引き当てたことがあるからにほかならない。いったいいくつの「森永チョコボール」を買えば「金のエンゼル」に出会えるのか,気になる方もあるだろう。そう,私もたいへん興味のあるところだ。
 しかし残念ながら,私の体験はあまり参考にならないと思う。
 なぜならば,たまたま買った3個,すべてに「金のエンゼル」がついていたからだ。
 後にも先にも,「金のエンゼル」を引き当てたのは,そのときだけである。

それでもなお,残り5個を手に入れるためには,「銀のエンゼル」を25枚も集めなければならない。いったい当時の私は,どれだけの「森永チョコボール」を食べていたのか,思い出そうにも思い出せない。

*1 「インターネット消費者取引に係る広告表示に関する景品表示法上の問題点及び留意事項」の一部改定について (消費者庁)
http://www.caa.go.jp/representation/pdf/120509premiums_1.pdf

*2 キョロちゃんファンクラブ (森永製菓株式会社)
http://www.morinaga.co.jp/member_kyoro/


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