撮影日記


2012年05月08日(火) 天気:晴

Canon 110ED試し撮りへの道
NEOPAN 100 ACROSすら簡単には買えないのか?

キヤノン110EDは,ファインダーに連動距離計を内蔵した,いわゆるレンジファインダーカメラである。連動距離計をファインダーに内蔵したタイプのカメラは110判では例が少なく,「キヤノン 110ED」とその改良型である「キヤノン 110ED20」くらいしか,私は知らない。貴重な存在であると言える「キヤノン 110ED」をようやく入手することができたのだが,それは「動作未確認」のジャンク品であった(2012年4月29日の日記を参照)。ジャンク品とはいえ,これは「故障」品ではなく「動作未確認」品だ。動作未確認なのは,フィルムが入手できないためにチェックのしようがないとのことで,見たところとくにダメージを受けているようにも見えず,電池とフィルムを入れればちゃんと動作することが期待できる。
 さて,キヤノン110EDは,どこにどんな電池を入れるのであろうか?本体を眺め回すが,どこにも電池ボックスの蓋らしきものは見あたらない。まさかと思い,フィルム室の蓋を開ければ,そこに電池ボックスの蓋が隠れていた。フィルム室の蓋を開けないと電池を交換できない,ということである。

フィルム室の蓋を開けると,当然ながらカブリ(不必要な露光)が生じることが懸念される。だから,フィルム室の蓋を開けなければ電池が交換できないというのは,恐ろしく不親切な仕様だと言わざるを得ない。同様な例として,110判の一眼レフカメラとして貴重な存在であるPENTAX auto110や,ハーフサイズカメラとして評価の高いOLYMPUS-PEN D3なども,フィルム室の蓋を開けなければ電池が交換できないしくみになっている。小型化のために,撮影のための安全性が犠牲になったということだ。
 また,このフィルム室の蓋の根元には,蝶番が使われていない。キヤノンEOS kissの電池ボックスの蓋と同様(2010年12月12日の日記を参照)に,薄いプラスチックを折り曲げるだけであり強度面での懸念が大きい。キヤノンの高級機はじつにしっかりと作りこまれているのだが,それだけに普及機におけるこのような不親切さがあまりに残念である。
 ところで,キヤノン110EDは,4LR44または4SR44という電池を使用する。このころのAEカメラでよく採用されている電池だが,はっきり言ってこの電池は安くない。だから,4個のLR44を直列にして代用する。これなら,100円ショップで2個100円で売られていることが多いから,電池代が200円で済む。

ともかく電池を装填して,巻き上げレバーを操作する。そしてシャッターレリーズボタンを押せば,シャッターの動作が確認できた。次に,カメラを明るいほうへ向けたり暗いほうへ向けたりしてシャッターレリーズボタンを押したところ,シャッター速度の変化が認められた。また,絞りの設定を変えても(キヤノン110EDは絞り優先AE),シャッター速度の変化が認められる。精度はともかく,AEは動作しているということだ。
 また,距離計も無限遠があっているようなので,とりあえず正しく動作しているようである。
 こうなると,試し撮りをしたくなる。
 キヤノン110EDには,距離計内蔵や絞り優先AEのほかに,日付を写しこめるという機能がある。ダイアルで日付を設定するタイプのものだが,110判の13mm×17mmという小さな画面に,どのように日付が写しこまれるのだろうか。これは,とっても興味のあるところだ。なおさら,試し撮りをしてみなければならない。

すでに,110フィルムの製造・販売は終了している(2009年7月20日の日記を参照)ので,使用済のカートリッジを再利用して,フィルムを自作しなければならない。私は,120フィルムをカットして,それを巻きなおして使うようにしている(2010年2月19日の日記を参照)。フィルムを作るべく冷蔵庫を覗いてみたのだが,使おうと思ったNEOPAN 100 ACROSの120が残っていない。
 ちょうど紙屋町方面にでかける用事があったので,まず,デオデオのウォッチ&カメラ館を覗く。ディジタルカメラばかりが並んだ店内だが,ちゃんとフィルムの在庫がある。されど,NEOPAN 100 ACROSの120は,店頭には並べていないようだ。近くにあるカメラのサエダも覗いてみたが,こちらにもNEOPAN 100 ACROSの120はない。富士フィルムのネオパンですら,簡単には入手できない状況になってしまったということか。


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