撮影日記


2012年03月09日(金) 天気:雨

切腹最中 今風に言えば「切腹なう」ってことか

週末の夕方,東京発の「のぞみ」は混雑しているようだ。どうしても,窓側の席(A席あるいはE席)が確保できない。しかたないので,せめても3人掛けの通路側(C席)を確保しておくことにした。せっかく週末に東京へ出張なのだから,1泊くらいしてきたいところだ。そうすれば,帰りの「のぞみ」は比較的空いていそうな便を選ぶこともできたのであるが,残念ながら明日は朝から広島で用事があるのでしかたない。
 帰りは指定席を押さえておいたが,行きはすなおに自由席である。広島始発の列車をねらえば,好きな座席が自由に選べるのだ。福山に着くと,広島では降っていなかった雨が降っている。天気予報は,大当たりのようだ。岡山でも降っているし,神戸も大阪も京都も雨。名古屋も雨なら静岡も雨で,いつものように車両中央付近のE席(2人掛けの窓側)に座ったのだが,富士山は影も形もまったく見えないのであった。

仕事を終えたら新橋に向かい,「新正堂」というお店で「切腹最中」というものを買った。「切腹」とは,なんとも物騒な商品名であるが,新正堂のウェブサイトにおける説明(*1)によると,『当店が「忠臣蔵」の起こりとなった浅野内匠頭がお預けになり切腹された田村屋敷跡にあり』ということで,こういう商品名にしたとのことだ。なお,「忠臣蔵」で主君の仇を討った「赤穂浪士」が葬られた泉岳寺は品川のほうにあるので,そこからさほど遠くないことになる。しかし,東京の人は,泉岳寺に行ったことがない人が多いらしい。

「切腹最中」はこのように,皮から餡がはみだしている。甘いものが好きな者としては,これはたいへん魅力的な商品だ。だが,冷静に眺めてみると,これは「切った腹から腸(はらわた)が出ている」ように見えなくもない。時節がらいっそのこと,桜餡を使ってみたり,「いちご大福」のようにイチゴを入れてみたりすれば,さらに「切腹」のイメージが強くなるようにも思うのだが,さすがにそれは「やりすぎ」というものだろうか。
 ところで,「切腹最中」はもちろん,「せっぷくもなか」と読む。しかしこれは,「せっぷくさいちゅう」とも読める。そうすると,「いま,切腹をしているところですよ」という意味になってしまう。今風に言えば,「切腹なう」だ。
 実際には「もなか」に「さいちゅう」という意味もあるわけだが,なんともくだらないことを考えてしまう私であった。

*1 商品一覧 (新正堂)
http://www.shinshodoh.co.jp/shohin/index.html#SEPUKU


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