撮影日記


2011年09月02日(金) 天気:台風接近

ラボからのラブレターならぬラボレターは
現像料金値上げのお知らせだった

今日,ポジフィルムの現像をラボに依頼したものが納品された。現像を依頼したフィルムは,35mm判のKODAK E100VSである。そこには,1枚の手紙が添付されていた。ポジフィルムの現像料金が改訂になるというお知らせである。これまでの価格より,10%少々の値上げになるという。年々,フィルムの消費量は大きく減少しており(2011年7月6日の日記を参照),当然ながらラボにおける現像処理の件数も,大幅に減っているはずだ。フィルムの生産,流通,そしてラボでの処理は,ある程度の規模がなければ商業的に難しいだろうことは,想像に難くない。フィルムの消費が減少している状況を見るかぎり,値上げといっても「これくらい」で済んでいるのは,メーカー,販売店,ラボに至るまでの,各企業さんの努力の賜物であろう。ありがたいと思うことにしよう。

撮影時に残したメモによれば,最初のコマは2011年4月24日に撮ったものである。36コマを撮り終えるのに,まるまる4ヶ月もかかっているのだった。このとき使ったカメラは,Nikon F80である。思い返せば,Nikon F80を入手したのはこの3月のこと。さっそく,E100VSを装填しての「試運転」だったわけである。
 ニコンの一眼レフカメラのラインアップは,大きく4つにわけられる。最上位には「F一桁シリーズ」ともいう「最高級機」があり,その下に「高級機」「中級機」「入門機」という感じになるだろうか。もっとも,「入門機」というカテゴリーが明確になったのは,Nikon EMが登場してからのことになるだろう。また,「高級機」と「中級機」という区別が明確になったのは,オートフォーカスのF-401とF-801の間に位置する,F-601が登場してからのことになると思う。それ以前は,「F一桁シリーズ」とNikon EMの系列を除いたすべての機種は,「中級機」と考えてもよかったのではないだろうか。
 さて,Nikon F80は,F-601,F70につづく,「中級機」として位置づけられるカメラだ。発売は,2000年4月のこと。あたらしい機種だと思っていたのに,もう,10年以上も前に発売された,むかしの機種なのである。Nikon F80を「あたらしい機種」だと感じるのは,なぜだろう?それは,Nikon F80よりあとにオートフォーカスの「中級機」が発売されていないためではないだろうか。Nikon F80よりあとに発売されたカメラは,Nikon U (2001年3月),Nikon FM3A (2001年7月),Nikon Us (2002年3月),Nikon U2 (2003年3月),そしてNikon F6 (2004年10月)の5機種だけである。Nikon F80は,最後のオートフォーカスの中級機なのである。「最後」ということは,すなわち「最新」ということにもなる。Nikon F80以後に,同クラスのカメラが発売されていないために,いつまでもNikon F80に対して「最新のカメラ」というイメージを抱いてしまっているのかもしれない。
 ともあれ,いまさらながらNikon F80は使いやすいカメラである。なんといっても,軽いのがいい。軽いけれども,ファインダーの見え具合も悪くない。機能的にも必要十分であり,ピントや露出のオートの精度も悪くないのだから,使いにくいはずがないのである。ただ1つ残念なのは,中級機でありながら,Ai連動爪が省略されているため,マニュアルフォーカスのニッコールレンズ使用時に露出計がはたらかないことである。まあ,オートでぱしゃぱしゃ気軽に撮る分には,まったくもって不都合はないわけであるが。

Nikon F80, AF Zoom-NIKKOR 24-50mm F3.3-4.5S, E100VS (2011/04/24)
Nikon F80, AF NIKKOR ED 180mm F2.8S, E100VS (2011/07/16)
Nikon F80, AF Zoom-NIKKOR 28-85mm F3.5-4.5S, E100VS (2011/08/06)

← 前のページ もくじ 次のページ →