撮影日記


2011年03月06日(日) 天気:雨

「たこ」って,そもそも「シーフード」だろ?

お世話になっていた方が,退職後,カフェを開業された。住宅地のまんなかにある,こざっぱりとしたお店である。

そこへ向かうために,クルマを西へ走らせる。広島西バイパスを降りると,まもなく宮島口だ。秋の観光シーズンには,かなりの渋滞が起こるような場所である(2010年11月21日の日記を参照)。比較的クルマの流れが速いバイパスと旧来からの国道とが合流し,さらにそれが1車線に減少するのだから,そもそも混雑する場所なのである。そこへもってきて,駐車場やフェリー乗り場などに入ろうとするクルマが並ぶのだから,観光シーズンの渋滞は当然なのだ。
 そういうときは,早朝に行くようにするか,電車を使うようにするのがよろしい。

今日は,観光シーズンというわけではないので,さほど問題なく宮島口を通過する。宮島の周辺でも,カキの養殖は盛んだ。だから,カキを扱っているお店も多い。もちろん,観光地だから,それ以外のお店も多い。国道沿いのお店のなかに,以前から気になっていたお店があった。

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「シーフードたこ焼き」と,看板には書いてある。この看板をはじめて見たとき,ふと疑問がわいたのだ。「シーフード」は,「海で獲れる食材」を意味するもののはずだ。「タコ」って,「シーフード」じゃないのか?「シーフードたこ焼き」では,「山の中の山中で,武士の侍が,馬から落ちて落馬して……」という文章のようで,なんとなく違和感がある。
 そんな気になる看板であるが,いつもここは素通りするだけの場所。ここを通るときは,「先を急いでいる」ことが多いので,まさに素通りするだけだった。今日はたまたま,ここにある信号にひっかかったので,あらためてじっくりとこの看板を眺めることができたのである。
 看板をよく読めば,「カキ,アサリ,ワカメ,イカ」が入った「たこ焼き」ということらしいとわかる(なぜ,「アサリ」だけ「アサリ入り」ではないのかは,謎であるが)。さらに「地たこ入り」とある。「たこ焼き」に不可欠な要素である「タコ」にくわえて,さらに「カキ。アサリ,ワカメ,イカ」が入っているということのようだ。どんなものなのかは,立ち寄って食べてみればおのずとわかるはずだが,今日も「先を急いでいる」ので悪しからず。

気になるので,件のカフェから帰ってから,辞書を参照してみた。
 まず,「シーフード」とはなにか。辞書によれば,「魚介類・海藻類などの水産食品の総称」とある。では,「魚介類」とはなにか。辞書によれば「魚や貝など水産動物の総称」とある。なぜ,「魚貝類」ではなく「魚介類」と書くのかは,知らない。「魚貝類」では,「魚」や「貝」は含まれても,エビやカニやナマコやタコやイカ(以下,省略)などが含まれなくなるからか?と,想像するしかない。しかし「介」には,「かたい」という意味があり,「甲羅」や「貝殻」などを含むようだ。つまり「介」には,軟体動物をあらわすような意味は含まれないことになる。
 そうか。タコは,「魚」でも,「甲羅や貝殻」をもつ「貝」でもないから,「魚介類」をあらわす「シーフード」には含まれない,ということなのか?たしかに「カキ,ワカメ,アサリ」は,海藻や「魚介類」に含まれる「貝」だから,辞書に書かれた通り「シーフード」で間違いないのである。では,イカは?イカは,タコと違って,かたい部分がある。だから,「介」なのだ。
 ……と,考えれば「シーフードたこ焼き」は,介や海藻というシーフードと,それに含まれないタコとがはいった料理ということになる。つまり,この表現に違和感をもってはならぬのだ。

しかし。
 ほんとうに「タコ」は,シーフードではないのだろうか?
 タコは,シーフードではない。と言われたほうが,よっぽど違和感がある。だからやっぱり,「シーフードたこ焼き」という表現に,違和感を持ち続けることにしよう。さて,その実態は?


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