撮影日記


2011年02月06日(日) 天気:晴ときどき曇

たいせつなものは「縁」
2011年の救出第1号はオリンパス35ED

ここ数年,毎年,同じことを繰り返してきた。それは,「今年は,カメラやレンズを増やさないようにしよう」と,決心することである。だいたい,1月から2月くらいは,その決心はゆるがない。しかし,次第にその気持ちはゆるんできて,毎年,年末には「今年お迎えしたカメラやレンズ」を振りかえることになる。
 結局は,1月から2月にかけては仕事が忙しいことが多いので,カメラやレンズを買うヒマがないことが多い,ということなのだ。

今年は仕事の都合で,例年以上に忙しい1月を過ごしてきた。この忙しさは,あと数カ月はつづく見込みである。そんな忙しい日々の間にも,忙しさが途切れる瞬間が訪れることはある。汲み置きしている「水」も底をついていたので,今日は久しぶりに水を汲みに行った。「八王子 よみがえりの水」(2009年2月28日の日記を参照)は,いつも以上に混んでいた。1月中は大雪の日が多くて,水を汲みに来ることができなかった人も多かったのだろうか。道路に積雪が残っていることはなかったが,周囲の斜面や田畑には,厚く雪が残っていた。
 こういう混雑しているときにかぎって,小さなPETボトル(4リットルくらいの焼酎の容器であることが多い)で汲む人が多い。しかも,汲む場所で,1本ずつご丁寧にゆすいでいたりする(「八王子 よみがえりの水」では,汲む場所のすぐ横に,容器を洗う専用の場所が用意されているにもかかわらず,である)。そういう人ほど,実に大量のPETボトルを用意している。こういうことを平気でできる人に周囲への配慮を期待することは,そもそも無駄なことだろうから,おとなしく待つしかない。といってもここは,汲むための口が3つあるので,時間のかかる人は放っておいて,意外と列は進むものである。

帰路,いつものように国道191号線沿いにある「カメラのキタムラ 可部店」に立ち寄った。
 余談だが,国道をはさんで「カメラのキタムラ 可部店」の向かい側にある「ヒラタ」というお店は,以前から気になっていた。ケーキ屋さんのような,和菓子屋さんのような,ケーキ屋さんにしては華美な装飾などがなく,そのせいかあまりきれいには見えない(よく見れば,実際にはこざっぱりしている),ともかく古そうなお店である。最近,そこのケーキを手土産としていただく機会があった。これが,まあ,「おいしい」のである。いずれ,あらためて「ヒラタ」でなにかお菓子を買いたいと思うのだが,今日はやめておく。
 さて,「カメラのキタムラ 可部店」には,数が多くないながらもジャンクカメラ専用のコーナーがある。しかも,動作確認用に「電池」も置いてある(必要なすべての形式がそろっているとはかぎらないが)。ディジタルカメラなら,ちゃんと充電されている。ジャンクカメラが好きな者の気持ちをよく理解してくださっている,とてもよいお店だと思うぞ(笑)。
 今日は,こんなカメラを救出した。

「オリンパス35ED」というカメラである。「オリンパス35」のシリーズは,ジャンクコーナーではよく見かけるカメラだ。ボディは,コニカC35シリーズよりもさらに小型に見えて,とても魅力的だ。また,レンズの評判もよい。しかし,電子シャッター式カメラのため,たいていは動作が確認できない状態である。必要な電池がHM-N(NR52)という大型の水銀電池のため,「電池が入手できない」という理由でジャンク扱いされているのだろうとは思うが,もしかしたら致命的な故障をしているのかもしれない。ちょっと手を出しにくいカメラである。
 同じようにHM-Nを2個使うカメラとしては,たとえば「フジカGER」というものがある。このカメラは,2個のLR44で動作させることができた(じつは,ジャンク大帝で最初にとりあげたカメラである)。同じように「オリンパス35ED」にも2個のLR44をつないでみたところ,シャッターは無事に動作した。電池ボックスに手を加えて,LR44で使えるようにしておかなければ。電池が腐食した形跡がなければ,さほど問題ないのかもしれない。

今回,「オリンパス35ED」を救出対象にしたのは,ほかに「これをぜひ救出したい」というものがなかったからである。こういう書き方をすると「オリンパス35ED」に対しては,とても失礼になるのだが,ほかにもっと魅力的なものがあったら,そちらの救出を優先し,少なくとも今日は「オリンパス35ED」の救出を見送ったことだろう。ちょっと考え方を変えれば,今日は「オリンパス35ED」に「縁があった」ということだ。
 もちろん,ほかに「気になる」ものはあった。たとえば,キヤノンAL-1 (50mm F1.8付) がある。オートフォーカスではないが,測距センサがピントがあっているかどうかを教えてくれる,当時としては最先端の機能(フォーカスエイド)をもっているカメラだ。しかしAL-1の魅力は,キヤノンFDマウントのカメラとしては例の少ない,絞り優先式AEが使えるという点にある。価格はたしか,1200円だったか。レンズのカビは激しいが,FDマウントの50mmレンズはすでに2本(FD 50mm F1.4,New FD 50mm F2)確保しているので,使いものにならなくてもかまわない。とにかく,ボディに魅力があるわけだが,露出計は動作しているもののシャッターが動作していないのでは,残念ながら見送るしかない。
 ほかには,APS一眼レフカメラの,ミノルタVECTIS S-100 (28mm-56mmレンズ付)が1000円というのも気になった。残念ながら,テスト用電池がなかったため,動作が確認できず見送りである。また,コンパクトカメラのキヤノンMCが800円というのも魅力的だが,すでに2000円も払って入手しているので,これも見送り(2006年6月17日の日記を参照)。もうちょっと安ければ,もう1台,もっていてもよいカメラだとは思うのだが。

ともあれ,中古カメラとの出会いは,やはり「縁」なのである。「縁」は,たいせつなものなのである。


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