撮影日記


2010年11月21日(日) 天気:晴

混みあう宮島

天気のよい日曜日,広島の低地の紅葉も,たぶん見ごろを迎えているだろう。どこかへ撮影に行きたいわけだが,生憎の急用発生。
 それでもクルマに,カメラは積んでいた。
 己斐での用事を終えて,そのまま西へ進むことにする。宮島へ行ってみよう,と考えたのである。こんな日であるから,かなりの渋滞が発生していることも予想される。案の定,すいすい進めた西バイパスも,佐方のパーキングエリアを過ぎたところで,ぷっつりと動かなくなる。ナタリーのフジグランあたりでお弁当を買おうと考えていたのだが,とてもそこまでたどり着けそうにない。すなおにアルパークまで引き返し,フードコートで遅い簡単な昼食を済ませることになった。
 アルパークからは,JRで宮島へ向かう。阿品あたりから見える国道2号線は,激しく渋滞している。あのままクルマで向かっていたら,いまだ到達していなかったかもしれない。すでにお昼をずいぶんと過ぎており,宮島へ向かう人よりも,宮島から帰る人のほうが多いような状態だ。電車もフェリーも,ふだんの休日よりは混んでいるが,とくに苦痛に感じるような状況ではない。

フェリーから西にはカキいかだが見える
ZENZA BRONICA ETRS, ZENZANON E-II 75mm F2.8, REALA

だが,宮島にはまだ,多くの人がいる。島のなかは,かなりの混雑だ。
 海はちょうど干潮で,大鳥居にも多くの人が群がっている。

フェリーは大鳥居沖を通過する
ZENZA BRONICA ETRS, ZENZANON E-II 75mm F2.8, REALA

ともあれ,かなりの人出である。とても,のんきに撮影ができるような状況ではない。もっとも,そういう惨状はじゅうぶんに予想できていたわけで,今日は,手持ちで撮れるお手軽なカメラしか用意していない。
 今日,おもに使おうと考えていたのは,Kodak STEREO Cameraである。
 こういう大きな構造物,奥行きのある構造物を,ステレオカメラで撮影し,立体視するのは楽しいものがある。

厳島神社の大鳥居
Kodak STEREO Camera, Kodak Anaston Lens 35mm F3.5, AGFA Vista400
五重塔を見る
Kodak STEREO Camera, Kodak Anaston Lens 35mm F3.5, AGFA Vista400

今日のフィルムは,AGFA Vista400というネガカラーである。Kodak STEREO Cameraのシャッター速度は,1/200秒までしかない。今日のようなよい天気の日に感度400のフィルムを使えば,ほとんどF11より絞りこんで使うことになる。おかげで,ピントをあまり気にせず撮っていける。
 AGFA Vista400というと,派手な発色をするとされるネガカラーフィルムである。アグファが写真用感材の製造・販売から撤退して,一時は市場から消滅した銘柄であるが,最近になって別のメーカーが製造し,アグファフォトというブランドでふたたび売られるようになったらしい。派手な発色をすることから,とくに「トイカメラに最適」として宣伝されることも多いように感じる。
 ただし,宮島で使用したAGFA Vista400は,現在のものではない。使用期限が2005年11月になっている,古いものである。半年以上前のことになるが職場で,「ロッカーから出てきた」と,何本かのフィルムを持ってきてくれたことがある。どれも使用期限をずいぶんと過ぎているものばかりだが,ジャンクカメラの動作確認,ピントや光漏れのチェックには十分に使えるだろうからと,ありがたく頂戴することにした。今日のAGFA Vista400は,そのときの1本である。
 今日の撮影は,この古いフィルムがまだ使えるかどうかをチェックする意味もあったのだ。


← 前のページ もくじ 次のページ →