撮影日記


2010年09月11日(土) 天気:はれ

それでも棚田に秋がくる

ここ数年,写真を撮りに出かける機会が激減している。今年は,少し仕事が忙しい。週末に出張が続くこともあって,さらに写真を撮らなくなってしまっている。いったん撮影に出かけないクセがついてしまうと,どうも動きがにぶくなっていけない。
 例年のごとく昨日の新聞で,井仁の棚田が収穫期を迎えたことが紹介されていた。これを見て,久しぶりに出かける気になったのが昨夜のこと。冷蔵庫を見れば,4×5のEPNが1箱残っている。また,120のEPPが1本残っている。もしかするとこれらが,私にとって最後のEPNおよびEPPになるのだろうか。4×5のEPNをホルダに詰めようとすると,いつ詰めたのかわからなくなったフィルムが入っていたりする。この夏は,とくに暑かった。そんな夏を冷蔵庫の外で過ごしたフィルムは,もったいないが使わないほうがよさそうだ。

まだ暗い中,クルマを発進させる。じつはこのクルマも,ややあやしい状態になっている。見てもらったところ,きちんと直そうとするならば,リビルト品の部品を使って30万円はかかるだろう,と。エンジンにもややあやしいところがあり,それらをすべて直すなら,さらに費用がかかるということだ。このクルマ,車検が来年の5月に切れる。走行距離は,138000kmほど。そろそろ買いかえる時期になった,ということだろうか?そんなことを考えたせいか,今日はクルマの調子がよい(笑)。やはり,機械には感情というものがあるのだ(2010年8月29日の日記を参照)。

棚田に朝日があたりはじめたころ,井仁に着く。棚田の上のほうから見ると,谷を朝もやが昇ってくるのがよく見える。まともに逆光の条件であるが,この朝もやのダイナミック感が表現できればありがたいと考えて,シャッターを切る。こういうときには,ハイキーに強いという印象のEPPが都合よく感じられる。フィルムの選択肢が減るというのは,いろいろなところで不自由になるだろう。

Mamiya Universal Press, Mamiya-sekor 250mm F5, EPP

日が高くなって朝もやが消えたら,素晴らしい晴天が広がっていた。

Mamiya Universal Press, Mamiya-sekor 100mm F3.5, E100GP

このころになると,棚田を訪れる人の姿も目立つようになる。当然のごとく,ほとんどの人が一眼レフカメラ(ディジタルかどうかはわからないが……)を使っているように見える。道路沿いの展望台から写す人,展望台から離れて道路から写す人。展望台から見える,高いところから写す人。田んぼの間の道におりて,近くから写す人など,さまざまである。
 昨日の新聞では,「週末から収穫作業」と紹介されていた。それを見てきた人は,収穫作業がはじまるのをいまかいまかと待っていたのかもしれないが,なかなか作業がはじまる気配はない。私はこれまで,収穫直前に訪れることが少なかったので,棚田全体が黄金色になった状況を撮れたことで十分である。
 なお,こちら側から撮る人は,あまり多くないようだ。

Mamiya Universal Press, Mamiya-sekor 250mm F5, E100GP

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