撮影日記


2010年07月04日(日) 天気:くもり

顕微鏡撮影アダプタ

オリンパスの一眼レフカメラといえば,「OM」シリーズである。いや「フォーサーズ」だろと一瞬でも思った方は,たぶんこの日記を読んでもおもしろくないと思うから,もう帰ってもらってよい。
 「OM」シリーズは,1973年に発売された「OM-1」からはじまっている。1973年版「カメラ総合カタログ vol.46」(発売当初の名称「M-1」として掲載)における製品の説明では『「大きい、重い、音・ショックが大きい」という一眼レフの三大欠陥を取除き』と謳われている。この基本方針は幅広いユーザに支持されたようで,「OM」シリーズは,小型軽量なシステムカメラとして一定の高い評価を得てきたのである。コンパクトで軽量な一眼レフカメラというその魅力は,今でも決して衰えてはいない。
 かつて「ニコンF」が,世界的に大きな支持を得てきた理由には,それが頑丈だったこともあるし,ニッコールレンズが高い性能を示したこともある。だが,それらの基本性能をフルに活かすだけの,豊富なシステムが用意されていたことも見逃せない。オリンパス「OM」シリーズにも,当初から豊富なシステムが用意されていた。「カメラ総合カタログ vol.46」にはそのシステム内容について,『“宇宙からバクテリアまで”あらゆる被写体に機動的に即応』『計画的に用意されるユニットは280余点』と謳っている。超望遠レンズや超広角レンズをラインアップさせただけではなく,顕微鏡に接続しての撮影などにも対応できるようになっていたのである。

そもそも,オリンパスといえば「顕微鏡」である。オリンパスは,古くから顕微鏡での撮影に対応するための部品を用意していたようだ。たとえばこの「PM-5」というものは,ちょうどオリンパスワイドIIにぴったり装着できるようになっている。

この状態でこれを顕微鏡の接眼レンズのかわりに装着すれば,顕微鏡の視野を撮影できるのだろう。残念だが,いま手ごろな顕微鏡がないので,実際になにかを撮影してみることはできない。もし顕微鏡があったとしても,露出の決定が難しそうだ。経験と勘に頼るか,試行錯誤を繰り返すか。こういうときは,勘よりもTTL露出計に頼りたい。
 ということで,顕微鏡撮影はやはり一眼レフカメラが有利なのである。オリンパスは「OM」シリーズの登場を待てなかった。「OM」以前のオリンパスの一眼レフカメラといえば,「PEN-F」である。この際,オリンパス「FTL」のことは,気にしないことにしよう。オリンパス「PEN-F」用にも,このような顕微鏡撮影アダプタが用意されていたのである。

この筒内に,顕微鏡の接眼レンズをはめこんで使うようである。ところでこの顕微鏡撮影アダプタには,型番のようなものが刻まれていない。「カメラ総合カタログ vol.28」(1967年)を参照しても,「顕微鏡写真撮影用アダプター」としか書かれていない。型番のようなものは「ない」ようだが,価格はしっかりとついている。TTL露出計内蔵の「PEN-FT」ボディが¥22,200なのに対して,このアダプタの価格は¥3,000だ。
 まあ,型番がなくても撮影には困らない。惜しいのは,私の手もとにある「PEN-F」には,「PEN-FT」とちがってTTL露出計が内蔵されていないこと。ただもっと重要なことは,この「PEN-F」は,故障していること(2009年8月4日の日記を参照)。

これらの顕微鏡アダプタは,2010年6月19日の日記で書いたように,古い家を整理したときに出てきたものの1つである。うちには,古くからオリンパスワイドIIがあったのだから,顕微鏡撮影アダプタ「PM-5」があってもさほど驚かない。しかし,うちにはオリンパスPEN-Fはなかったはずだ。なぜ,こんなものがあったのだろう?いや,そもそもうちには顕微鏡など,なかったと思うのだが。
 ま,いいか。


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