撮影日記


2010年06月30日(水) 天気:くもり

湿気対策

ここ数日,やや強い雨の日が多かった。九州のほうではかなりの水害も出ているとのことだが,幸い広島では,大きな問題にはつながっていないようである。この季節,機材の保管状況が気にかかる人も多いはずだ。高温多湿は,とくにレンズにカビが発生する危険につながる。少しくらいのカビならば写りにさほど影響しないと言う人もあるが,油断して,大規模なカビになってしまうとさすがに使い物にならなくなる。機材を買いかえることのある人であれば,カビの生じたレンズのリセールバリューは大きく下がってしまうことも,懸念されることだろう。また,単にコレクションしているレンズであっても,カビを生じさせてしまうのは,気持ちの悪いことである。
 レンズにカビを生じさせないもっともよい方法は,そのレンズを頻繁に使用することである。つねに新鮮な空気に触れさせ,つねに太陽の光にあたるようにすればよいのだ。そうはいっても雨が続くと,撮影にでかける頻度も下がるだろう。あるいは仕事が忙しくて,何ヶ月もレンズを放置せざるを得ないケースもあるだろう。

そんなときは,防湿庫で保管するのが望ましい。庫内の湿度を一定の低湿度に保ってくれる装置で,東洋リビングの「オートドライ」や,トーリ・ハンの「ドライキャビ」などが有名である。東洋リビングとトーリ・ハンとの関係は,今ひとつよくわからないのだが(2005年8月1日の日記を参照),まあ細かいことは気にしてもしかたない。
 私は,東洋リビングの「オートドライ」を12年前に購入して以来,ずっと使っている。
 たしかに,このような防湿庫で保管することは,悪いことではないようだ。ここに入れている間に,機材に重大なトラブルが発生したという経験はない。また,この防湿庫そのものにも,とくにトラブルは生じていない。私が購入した「オートドライ」の購入価格はおよそ4.5万円だったが,12年という期間で割れば,1日あたりたったの10円強。防湿庫自身が長く使える製品であり,それを使うことでカメラやレンズも安心して長く使えるようになる。積極的に導入するだけの,価値ある製品だと思う。

そうは言っても,4万円も5万円もするような製品を,2つも3つも次から次にぽんぽんと買うことはできない。また,買ったとしても,その置き場に困るというもの。だから,私がもっている防湿庫はこれ1台。そして,カメラやレンズが増えてくると,当然,防湿庫に入りきらないものがでてくる。
 いま,防湿庫に入りきらなくなったカメラやレンズは,乾燥剤とともに衣装ケースに詰めこんでいる。
 使っている乾燥剤は,プラスチックのパッケージの中に塩化カルシウムの粒が入ったタイプのものである。塩化カルシウムが空気中の湿り気を吸収して溶け,このパッケージスの中に最大500mlまで水溶液としてたまるようになっている。当然ながら,このような乾燥剤には寿命がある。塩化カルシウムの粒がなくなるころ(水がいっぱいにたまるころ)には,交換しなければならない。少なくとも,半年に1度は交換することになるだろう。ときには衣装ケースのふたを開けて空気を入れかえるのもよいと思うので,頻繁に交換するべきだとは思うのだが,いかんせん面倒である。ほかでもないが,カメラやレンズを詰めこんだ衣装ケースはそれなりに重い。それを積み重ねているので,どれくらい面倒なのかはご想像いただけるものと思う。

今年も乾燥剤を交換したい時期となった。カメラ店に行けば,さまざまな種類の乾燥剤が売られている。そのなかでハクバの「調湿くん」という商品が気になった。乾燥剤が入ったシート状のもので,吸湿能力が落ちてきたら天日で乾かして再利用できるというものである。再生可能という点も大きな魅力だが,シート状で場所をとらないという点が,さらに大きな魅力である。さっそくビックカメラ(ベスト広島店)に買いに行ってみたが,1枚580円である(カメラのサエダを覗いてみたら,609円もした)。1枚買ってはみたものの,あらためてコーナンというホームセンターで乾燥剤の価格を確認すれば,コーナンのプライベートブランド商品が今日まで特価で,3個パック148円だという。「調湿くん」1枚の価格で,乾燥剤3個パックが3つも買えてしまう。これだけ価格差があれば,多少の面倒も厭わずに「定期的に乾燥剤を交換することにしよう」という結論に達するのも当然ことではないだろうか。


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