撮影日記


2010年06月06日(日) 天気:晴れ

6月6日は「スクエアの日」

6月4日から6月9日までが「中判写真週間」。今日,6月6日は6×6判の日,すなわち「スクエアの日」となる。さて,スクエアフォーマットのカメラにもいろいろあるが,今日は二眼レフカメラを使うことにしようと思う。一眼レフカメラのPILOT Superは,ファインダーが見にくいので,あまり使い心地のよいものではない。Mamiya-Six Kは,右手親指であわせるピントの操作が軽快だが,昨日「セミ判の日」にはKorelleを使ったので,2日続けてスプリングカメラを使うことになってしまう。それでは少し,つまんない。
 さて,どの二眼レフカメラを使うか。少し迷ったが,ここはすなおにROLLEIFLEX Automatを使うことにした。

ちょうど,お餅つきの応援によばれていたので,手伝いがてら,撮らせてもらうことにする。

ROLLEIFLEX Automat, Tessar 7.5cm F3.5, ACROS100 / EL-NIKKOR 75mm F4.5, FUJIBRO WP FM3

石の臼と木の杵を使っての,ほんとうのお餅つきである。餅米も,薪をくべて鉄のお釜で蒸している。お餅つきを担当されている方々が高齢化しているため,例年,応援の要請があるという事情。蒸しあがった餅米を臼に入れると,まずは杵で押しつぶしていく。十分に押しつぶしてから,杵をふりあげて「ぺったん,ぺったん」とついていくわけだが,この押しつぶす過程がかなり疲れるのである。「ぺったん,ぺったん」とつくときには,杵の重さが利用できるわけだが,押しつぶすときは自分の体重と腕の力がすべてとなるのだ。いや,もっと要領のよいやり方があるのかもしれないが,そのあたりは素人なので。すまん。まあ応援者は私以外に何名もいるので,なんとかなるのである。
 お餅つきは,直射日光を避けるためにテントの下でおこなっている。完全な日陰であり,撮影条件はよろしくない。そして,外はいい天気なので,逆光の条件となる。だからすなおに,シルエットになるようにアンダー目に撮影。それでも,シャッター速度は1/50秒。杵を振りおろす人も,こねる人も,動きがわかる程度にほどほどにブレてくれるのは好都合。しかし,3号でシルエットになるようにプリントすれば,こねる人と臼とが一体化してシルエットになってしまい,わからなくなってしまう。2号で浅めにプリントすれば,今度はしまりのない絵になる。3号で浅めにプリントすることで,なんとか形にできたのが,上の写真である。

ともあれ,ROLLEIFLEX Automatは,使いやすい。クランクをまわして巻き上げ,反対にまわしてシャッターのチャージ,ファインダーを覗いてピントを確認したらレリーズ。一連の動作をスムースに,軽快にとりおこなうことが可能だ。あっという間に1本撮り終わる。
 ところがここに,落とし穴が。
 2本目のフィルムを装填しようとしたのだが,ROLLEIFLEXがフィルムのスタートを検知してくれないのである。

ROLLEIFLEX Automatの「オートマット」が意味するものは,フィルムの自動巻き止め(巻き上げの操作をするとき,1コマ分だけフィルムが送られると止まるようになっている)とフィルムを装填するときにスタートマークをあわせる必要がないという機能が実現されていること。たとえば自動巻き止め機構のない二眼レフカメラであれば,背面にある赤いフィルムが貼られた窓から,フィルムの裏紙に印刷された数字を読み取って,フィルムを送る必要がある。このようなフィルム送りの方式は「赤窓式」とよばれる。「セミオートマット」とよばれるものは,自動巻き止めは実現されているが,フィルムを装填するときにスタートマークをあわせるなどの操作が必要になるものだ。
 ROLLEIFLEXのオートマット機構は,フィルムがはじまるときの厚さの変化を検知することで実現されている。これがどうも,うまくはたらかなかったようなのだ。じつはこのようなトラブルは,今回がはじめてではない。これまでにも,何度もあったこと。自宅で落ち着いてフィルムを装填するときには問題が起きなくても,出かけた先でフィルムを交換するときに,このトラブルにあうことが多いような気がする。ともあれ,2本目のフィルムの装填に失敗して,盛りあがりかけた撮影気分が,すっかり萎えてしまったのであった。


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