撮影日記


2010年04月25日(日) 天気:晴

2号印画紙で撮る

5月7日の「ゴナナの日」に向けて,OKUHARA CAMERA製の組立暗箱で,カビネ判の写真を撮るという方針を決めた(2010年4月23日の日記を参照)。撮り枠やシースはあるので,あとはフィルムである。OKUHARA CAMERAと同時にいただいたなかに,古いネオパンSSがあった。ただし使用期限は,1977年。もう30年以上前に,期限が切れている。念のために1枚装填して撮ってみたが,全体にカブっており,撮影に使える状態ではなさそうだ。
 現行のネオパン100ACROSにはカビネ判もラインアップされているのだが,富士フイルムのウェブサイト(*1)の情報によれば,在庫かぎりで販売終了とのこと。残念,遅かったのか。今後も長くカビネ判の撮影を楽しむには,8×10判のフィルムを買って,切って使うしかないのだろうか。いや,それではさすがにコストと手間が大きすぎる。

そこで,フィルムの代わりに印画紙を使っての撮影を試すことにした。カビネ判の印画紙ならば,カビネ判のフィルムにくらべて入手しやすい。また,適切なサイズにカットする必要があるとしても,フィルムと違ってセーフライトが使えるので,はるかに楽に作業ができる。印画紙での撮影がうまくいけば,さらに大きな八切や四切1/2判での撮影もできるようになるだろう。
 印画紙はフィルムと違ってラチチュードが狭いので,できるだけ軟調のものを使いたい。現在は,0号や1号の号数印画紙は発売されていないようなので,2号を使うことにする。富士フイルム「フジブロWP FM2」なら,入手しやすくて好都合だ。ところで,カビネ判印画紙のサイズは120mm×165mm,それに対してカビネ判「ネオパンSS」のサイズは118mm×163mm。たしかにフジブロは,そのままではカビネのシースに入らない。端を2mmくらいカットする必要があるのだが,セーフライトのおかげで,作業は苦にならない。
 撮り枠にセットしたら,いよいよ撮影。

さて,露出をどうするか。印画紙をフィルムとして代用するときの感度は,概ねISO 6であると聞いたことがある。しかし,どんな印画紙でも同じものだろうか?わからないので,とりあえずISO 6であるとして試してみる。日中の撮影であるが,F22くらいまで絞りこんだら露光時間は約1秒。ISO 6では,動く被写体の撮影は難しいかもしれない。

OKUHARA CAMERA, FUJINON W 210mm F5.6, FUJIBRO WP FM2

印画紙だから,当然のように「コレクトール」で現像をおこなう。「コレクトール」での標準とされる現像時間は90秒だが,見ているとかなり濃度が高くなりそうだったので,60秒ほどで打ち切る。得られた画像は,フィルムにくらべてかなり硬調な印象であるが,とにもかくにもカビネサイズの原版ができたのである。なおこのままでは,明暗が反転した陰画であり,さらに左右逆像になっている。密着プリントで陽画を得たのが下の画像だ。

もう少し,中間のトーンがほしいところだが,なんとか「ゴナナの日」には参戦できそうである。

*1 http://fujifilm.jp/personal/jan/monochrome/film.html


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