撮影日記


2010年04月21日(水) 天気:晴

情報提供はメーカーの責任

新聞等の報道によれば,警察庁は万引きなど軽い気持ちでおこなわれることもある犯罪や,落書きやごみのポイ捨てなどの軽微な犯罪に対して,厳しく取り締まるように,各都道府県の警察本部に通達したとのこと。また,手続きを簡素化して,警察への通報をおこないやすくすることも考えられているとのことである。これらのことを通じて,治安状態の改善等をねらっているようである。
 警察等への通報の敷居をさげることは,ちょっとした犯罪行為に対して,安易に見逃したり,泣き寝入りしたりすることを減らす効果があるだろう。一方で,些細なトラブルまですべて警察に委ねることになるのも,不必要な権力の介入を誘うことにつながるという懸念も出てくるものと思われる。そういう問題が発生しないとしても,通報があまりに多く集中すると,取り締まり業務そのものに支障が出ないものかと懸念する。
 しかしながら,ついつい軽い気持ちでおこなわれる万引きという犯罪だろうと,計画的におこなわれる窃盗という犯罪だろうと,受ける被害は同じである。これらを減らすには,ある程度の「見せしめ」はやはり必要だと思うところだ。

軽い気持ちでおこなわれる犯罪としては,著作権侵害というものがあることも忘れてほしくない。WWWで検索をしてみれば,同じような文章が書かれたblogなどが,これでもかというくらいたくさん見つかることを経験した人も,少なくないことと思う。なかにはプログラムによって自動的に適当に文章を寄せ集めただけのようなものもあるが,明らかに他のサイトの文章を少し手直ししただけで使い回しているようなものも見つかる。さらには,まるごとそっくり盗用されるケースもある。
 ご自身でウェブサイトを開設したり,blogを書いたりしている方のなかには,自分が書いた文章や画像がまるごと盗用された経験をおもちの方も,少なくないことと思う。盗用されているかどうかを知る1つの方法としては,自分で書いた文章に含まれる特徴的なセンテンスをGoogle等で検索してみればよい。その文章を書いた自分のページがトップに表示されるはずである。そして,そのセンテンスに含まれる単語がたくさん含まれた,まったく違うページが2つめ以下に表示されるはずだ。ところが稀に,ほとんど同じ文章が含まれるページが表示されることがある。なかには「たまたま似た文章になった」ものもあるだろうし,「自分が書いた文章を参考にして書いた」ものがあるかもしれない。しかしなかには,「そっくりそのまま,あるいはちょっと手直ししただけで盗用した」ものが見つかるかもしれぬ。ルールにのっとった「引用」の形態をしていれば問題はないのだが,そうではないケースが大半ではないだろうか。「引用」とは言い難い形でありながら,「引用」だと主張するようなケースも散見される。
 私自身の経験上では,そのようなblog主等に問い合わせをすれば,たいていはすぐに削除に応じてくる。しかし,そこに謝罪等の言葉がともなうことは,ごく稀である。「うるさいこと言われたから逃げておけ」「さっさと消せばいいんでしょ」「証拠隠滅だ」などという姿勢なのだろう。そこには,最近はやりの「品格」という言葉とは無縁な人物像が浮かび上がってくるのであった。そのような人たちもみな,なんらかの仕事等に携わっているものと思うが,その仕事に対する姿勢も,その仕事そのものの品質も「それなり」のものに相違ないと思わざるを得ない。
 なかにはある種の店舗に,商品説明として文章を盗用されたケースもある。問い合わせに対しては,別にウェブ制作担当者がいて,その者が勝手に書いたというような,まるで自分の責任ではないかのような応答をしてくるケースも1度や2度ではなかった。取り引きにおいてなんらかのトラブルが発生したときには,いったいどんな対応をしてくれることだろうか?

ところで,盗用されたことのある文章としては,なぜか「三段峡」と「京セラ サムライ」のものが多い。あと,「常清滝」ある。
 なぜだろう?
 「京セラ サムライ」については,1つの理由が考えられる。それは,京セラのウェブサイト(*1)に,かつて販売していたカメラ等を紹介するコーナーが存在しないことではないだろうか(ちなみに,CONTAXブランドのカメラについては修理対応等のサポートが継続されており,これはとてもありがたいことである)。そのようなウェブページは,そのカメラ名で検索をおこなったときにトップに近いところに表示されるはずだ。安直に商品説明の文章を盗用するような人としても,どうせなら発売メーカー等による「公式ページ」の文言を利用したいはず。そういえば「京セラ」ブランドのほか,「ヤシカ」ブランドの「ヤシカ ペンタJ-7」「ヤシカ エレクトロ35CCN」の記述も盗用される傾向にある。

そこで,私としては以下のようなことを要望する。
 まず,すべての人に対して。文章や画像等の盗用をやめていただきたい。
 つぎに,警察等に対して。著作権侵害についても,簡単に通報できるようにしていただきたい。
 さいごに,カメラ事業から撤退したメーカーに対して。会社そのものがが完全に廃業したような場合はしかたないとしても,そうでない場合は,過去に発売した製品等の情報をいつまでも公開しておいていただきたい。メーカーの責任として,だ。その点,コニカミノルタは偉いぞ(*2)。
 いずれも,勝手な言い草ですまん。

*1 http://www.kyocera.co.jp/

*2 http://ca.konicaminolta.jp/history/


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