撮影日記 |
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2010年04月04日(日) 天気:晴組立暗箱で接写「標準レンズ」という言葉を耳にすることは多いが,その定義ははっきりしたものではない。画面の対角線の長さに近い焦点距離のレンズを使うと遠近感等がもっとも自然に見えるので,その焦点距離のレンズを標準レンズとするという考え方がある。そのように考えると,35mm判(ライカ判,24mm×36mm)の標準レンズは,対角線の長さである43mmレンズになるはずであるが,実際には50mmレンズが標準レンズとされている。これは最初にライカに装着されたレンズの焦点距離が約50mmだったので,それが習慣的に引き継がれているだけとも考えられる。また,一眼レフカメラ用には,レンズ後面からフィルム面までの距離を十分に長く確保するために,58mmくらいの焦点距離のレンズが標準レンズとして用意されていたこともあった。ライカ判の場合,50mmレンズが標準レンズとされているが,40mmより長く60mmより短いものであれば,標準レンズと考えてもよさそうである。 組立暗箱はその折りたたみ方からわかるように,バックの大きさとベースの大きさが等しい。バックの大きさは画面サイズによって決まるので,より大きな判に対応するカメラほど,ベースも大きくなる。実際に大きさを確認してみると,TACHIHARA Fielstand45の場合,フロントとバックを立てたままのとき,その距離は180mmほど。蛇腹をすこし伸縮させるだけで,150mmレンズないし210mmレンズが使いやすい大きさである。それに対してOKUHARA CAMERAの組立暗箱は,8×10判よりも少し小さな四切1/2サイズまでの撮影ができる,やや大型の組立暗箱である。フロントとバックを立てたままのとき,その距離は250mmほどであり,250mm前後のレンズが使いやすい大きさである。 組立暗箱の場合,カメラが大きくなれば,それだけベースも長く伸ばせるようになるということだ。目いっぱい伸ばせば,より近距離のものにもピントが合わせられることになる。つまり,接写に有利ということだ。四切1/2用のOKUHARA CAMERAで4×5判を撮影すれば,等倍に近い撮影も可能になるのではないだろうか?さらにベースを傾け,フロントもバックも手前側に倒してアオリをかけて撮ったものが,この写真。組立暗箱での接写も,それなりに楽しいものである。 OKUHARA CAMERA, FUJINAR 21cm F4.5, NEOPAN100 ACROS |
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