撮影日記


2010年02月21日(日) 天気:晴

塩ビ管で110フィルムを現像する

一昨日の日記に書いたように,120フィルムを切り分けることで,127フィルムと110フィルムを作成した。作成した110フィルムには,本来あるべきパーフォレーションがないため,パーフォレーションがなくても撮影が滞りなくおこなえることがわかっているペンタックス・オート110(ワンテン)に装填して,試し撮りをおこなった。
 さて,配線カバーと塩ビ管を利用した先日の道具でうまく現像できるかどうか。

この場合の現像の手順は,次のようになる。
 まず,450mlの現像液を,塩ビ管に入れて蓋をする。これは,明室でよい。
 次に,暗室での作業となる。撮影済みのフィルムを取り出し,例の配線カバーに通していく。サイズに余裕があるので,スムースに通すことができるだろう。
 フィルムを配線カバーに通したら,いよいよ現像だ。現像液を入れた塩ビ管の蓋をはずし,フィルムを通した配線カバーをそおっと投入する。投入したら,塩ビ管にふたたび蓋をする。これで,あかりをつけても大丈夫。現像液の量をきちんとはかってあれば,こぼれることもないはずだ。
 あとは通常通りに攪拌をおこなえばよい。
 所定の時間が終わりに近づいたら,あかりを消して暗室にする。そして,塩ビ管の蓋をはずして,現像液を排出する。ふたたび塩ビ管に蓋をすれば,あかりをつけても大丈夫。処理液の排出や投入の「口」をうまく工夫すれば,すべて明室で処理できるのだろうが,まだそこまでできていないのでご了承を。
 本来はここで,停止,水洗をおこなうわけだが,今回は省略。
 つづいて,定着をおこなう。450mlの定着液を用意し,あかりを消して暗室にする。そして,塩ビ管の蓋をはずしてロートなどを利用して,定着液を投入。蓋をすれば,あとは明室で規定通りに攪拌。所定の時間が過ぎれば,定着液を排出し,フィルムを取り出せばよい。
 その結果,無事に,像を得ることができたのであった。

PENTAX auto110, PENTAX-110 50mm F2.8, ACROS

今日はちょうど,段原(広島市南区)のSATYに行く用事があったので,そのついでに比治山公園に立ち寄って撮影したものである。あいかわらず,比治山にはネコが多い。なかには,近づいても逃げる気配を見せないネコもいる。これは,広島市まんが図書館の近くにいたネコ。ファインダーが小さいのはどうしても不愉快だが,カメラも小さいのだからしかたない。そうは言っても,ピントをきちんとあわせられるのが,とても楽しいのである。

PENTAX auto110, PENTAX-110 50mm F2.8, ACROS

比治山といえば,広島市現代美術館である。
 広島市まんが図書館から広島市現代美術館にのぼっていく階段を見ると,ちょうどいい具合に光があたっている。こういう被写体は,パララクスの影響もなく,きちんとピントもあわせられ,フレアやゴーストなどの具合も見える,そんなカメラで撮影したい。すなわちビューカメラか一眼レフカメラの出番となる。PENTAX auto110のような超小型の一眼レフカメラは,つねに携帯し,こういう場面で気軽に取り出して使えるのがとても楽しいのである。

PENTAX auto110, PENTAX-110 18mm F2.8, ACROS

50mm F2.8という望遠レンズでの撮影が続いたが,こんどは18mm F2.8という広角レンズで撮影したものだ。交換レンズの効果を楽しめるのも,PENTAX auto110の優れた特徴である。こんなカメラを,埋もれさせてしまうのはもったいない。手もとに残っている110カートリッジを大切に再利用し,これからもどんどん使い続けていきたいものである。こうなると,まだ入手していない24mm F2.8という標準レンズに対する「物欲」も,俄然わきあがってくるのである(笑)。
 ところで,最近,PENTAXから発売されたコンパクトディジタルカメラ「Optio I-10」は,カメラ中央部が盛り上がっており,一眼レフカメラようなスタイルになっている。カメラに向かって左側に「Optio I-10」というロゴがつけられているが,このハイフンが非常に見えにくい。したがって,一瞥したところでは,「I-10」が「110」に見えるという具合である。そうだ,ディジタルカメラのデザインが,auto110を強く意識しているのは間違いないだろう(笑)。それだけ,auto110は魅力的なカメラだったのだ。110フィルムが供給されなくなっても,auto110をがんばって使い続けていこうではないか。それは,今でもauto110を所有している者の義務なのである。


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